ロシアが南クリル諸島(日本名・北方四島)の軍備を強化している。ロシアは四島のうち、国後、択捉両島で防衛施設、演習場や弾薬・武器倉庫の建設を進めている。日本メディアは、「米韓両国がTHAADミサイルを在韓米軍に配備すると決定した影響」だとの見方を示した。
ロシア「rusnews.cn」の11日の報道によると、ロシア連邦特別建設局広報部は、「現在500人以上の建設労働者が100台の建設機器を使用し、国後・択捉両島で軍事施設を建設している。このほか、軍人宿舎や文化・娯楽施設、スポーツセンターなど、392棟の建物を建設する予定だ」と発表した。施設の建設には最新の軽量形鋼造の安全な材料が使用され、環境にも優しく保温性が高い。耐震性能はマグニチュード9.5の地震に対応可能で、100年間に渡り使用できる。ロシア国防部の軍事基地建設に関する予算は4000万ルーブルに上るという。
露ウェブサイトは同軍事基地建設について12日、「南クリル諸島をめぐりロシアと日本には領土問題が存在しており、軍事衝突の発生がロシアにとって潜在的な脅威の1つになっている」と報じた。この地区はロシア本土から遠く離れ、日本に近いことが問題を複雑にしている。そのため、島には孤立した時に備えて攻撃に独自に対処できるように、強大な軍事配備が必要となる。ロシア国防部は、両島に対艦ミサイルや地対空ミサイル、無人機など、新型の近代的軍備を配置している。
日本の毎日新聞はこれについて、米韓両国が終末高高度防衛(THAAD)ミサイルを在韓米軍に配備すると決めたのを受けて、ロシアでは極東における軍備強化をより一層進めるべきだとの議論が出ていると報じた。北朝鮮の核攻撃を念頭に日米韓が構築する重層的なミサイル防衛(MD)システムについて、ロシアは「米国による地球規模のMD網の一環」と認識し、「自国の核戦略にとっての重大な脅威」と捉えている。露上院国防・安保委員会のセレブレニコフ第1副委員長は、「国防省と共に(極東への)ミサイル部隊配置など対抗策を検討する」と述べ、千島列島でロシア軍が実行中の軍備強化について「加速する可能性がある」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年7月13日