南中国海の仲裁という茶番劇の幕が下り、舞台裏の監督である米国がついに表舞台に立ち、世界の警察としての姿勢で中国にあれをしろ、これをしろと押しつけている。しかしこれは米国が管理することだろうか?米国はかつての南中国海問題に関する発言を完全に忘れ、自己否定を続けている。
まず、米国は南中国海問題の歴史的な経緯を知っている。米国はカイロ宣言、ポツダム宣言の中心的な締約国だ。中国政府は1946年、米国から渡された軍艦を南中国海に派遣し、日本に占領された南中国海諸島を取り戻した。米国は1951年にフィリピンと「米比相互防衛条約」に調印した。その防衛範囲には、西沙と南沙が含まれない。米国の1961年版の歴史辞典『Columbia Lippincott Gazetteer of the world』などで、西沙と南沙を中国の伝統的な領海線内に入れている。
フィリピンは以前、米国の植民地だった。フィリピンの国土は1898年の米西パリ条約、1900年の米西ワシントン条約、1930年の英米条約によって確定された。フィリピン西部の国境線は東経118度を越えたことがなく、中国とフィリピンの海域および島礁の係争はすべて東経118度から西で生じている。米国が、どちらが正しくどちらが間違っているかを知らないわけはない。米国は南中国海の島礁の帰属問題で「特定の立場を持たない」「一方に肩入れしない」と表明したが、これは実際には歴史的な後退だ。米国は南中国海諸島は中国に属するという「立場」を表明し、「肩入れ」していた。国際法には「禁反言」という基本原則がある。米国は言ったことを守っておらず、国際法に公然と背いている。
次に、米国が南中国海問題で忘れたふりをし、見て見ぬふりをしているのは、覇権主義の需要によるものだ。米国が南中国海の係争に介入したことには、▽米国が制定し主導する海洋の覇権的秩序を脅かすことができないこと▽米国が海上で我が物顔で振る舞う「自由の権利」を妨害することができない▽米国と同盟国による覇権的軍事同盟を脅かすことができない――ことを証明するという3つの目的がある。米国は「覇権欲」に心を奪われたため、事実を無視し白と黒を転倒させている。明らかにフィリピンやベトナムなどの国が中国の島礁を占拠し、島礁に軍事施設を設置し、軍用空港と滑走路を建設しているにも関わらず、米国は中国が南中国海の現状と島の地形を変えていると批判している。明らかに米国が自国の空母、戦略爆撃機、ミサイル駆逐艦を中国の玄関口に派遣しているにも関わらず、中国が南中国海を軍事化させていると逆に批判している。これは完全に覇権的な顔であり、強盗の論理だ。
それから、米国がいかにして他国の正当な権利を否定しているかについて、指摘しておく必要があろう。米国は現在、中国にいわゆる仲裁結果を順守するよう強く求めている。しかし米国は、ニカラグアが1986年にハーグ・国際司法裁判所に対して、米国が自国の主権を侵害していると訴えたことを忘れてはならない。仲裁裁判所はニカラグアの勝訴判決を下したが、米国は履行しようとしなかった。中国は現在、仲裁案の中で完全に理を手にしている。我々は国連海洋法条約の整合性・公平性・権威を守っており、第298条の排除性の権利を行使している。我々は仲裁裁判所が、領土主権に関する問題について裁決を下す権力はないと判断している。それならば、我々はなぜ臨時裁判所の越権の仲裁を履行しなければならないのか?
米国が上述した歴史を本当に忘れたならば、我々は今注意を促す必要がある。新中国成立後、我々が脅迫に屈したことはない。この事実を忘れてはならない。中国に圧力をかけ、崩壊させることができるだろうか?
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年7月14日