ニューヨーク・タイムズなどの西側メディアはこのほど、オバマ米大統領の専用機が3日、中国の杭州市に到着した際に、中国側から「冷遇」されたと喧伝した。中米両国の職員は、駐機場で安保の具体的な内容について「口論」に及んだという。
実際にはオバマ大統領の杭州到着前日、大統領専用ヘリ「マリーン・ワン」と防弾車「アーミー・ワン」を積載したC-17輸送機2機が先に到着していた。このようなそうそうたる顔ぶれは、G20首脳のうちオバマ大統領だけだ。オバマ大統領の専用機が3日、杭州蕭山国際空港に着陸すると、中国側の安全保障担当者は米国人記者がオバマ大統領の移動ルートに近づきすぎだと判断し、全員に後退を求めたところ、協力を拒否された。ホワイトハウスの職員は傲慢にも「これは我々の航空機、我々の大統領だ」と述べ、ある中国の職員は英語で「ここは我々の国、我々の空港だ」と応じた。その後、多くの米国人記者が西湖国賓館に取材に入れたことをめぐり、米国側と中国側の安保担当職員の間でいざこざが生じた。これは米国人記者が余りにも多かったからだ。
アメリカ国防情報局(DIA)は現地時間3日午後、真相を確認しないままニューヨーク・タイムズの本件に関する記事をツイッターで転載し、「中国の一貫したやり方」と皮肉った。BBCによると、DIAは米国防総省の諜報機関だ。同アカウントは4日、このツイートを削除し「本日先ほど、ニュース記事に関するツイートがこのアカウントから投稿されてしまった。このツイートはDIAの観点を示すものではなく、謝罪する」とコメントした。DIAはそれ以上の説明を避けている。
オバマ大統領もこの「口論」について4日、より広範な中米関係を代表するものではないとし、記者たちに過度に重視しないよう求めた。オバマ大統領は「米大統領の外遊時には時に摩擦が生じる。これは初めてではなく、中国だけでのことではなく、米国の同盟国を含む他の国でも起こりうることだ。これは恐らくジョシュ(大統領報道官)が誇張し、舞台裏の協議と交渉のわだかまりを強調したのだろう。私は本件の意義を過大評価しない」「このような摩擦が発生した一部の原因は、我々が他国よりも大人数であり、多くの航空機、ヘリ、車両、人員を持ち込んだことにある。ホスト国であれば、多いと感じることもあるだろう」と表明した。
華春瑩報道官は中国外交部が5日に開いた定例記者会見で、次のように述べた。
中国側は中米関係を高度に重視しており、G20杭州サミットに出席するため訪中したオバマ大統領を歓迎する。習近平国家主席とオバマ大統領は実り多き会談を成功させている。中米双方の職員はこれに向け、多くの念入りかつ配慮の行き届いた計画と準備を行った。
来た者はすべて客だ。中国はG200杭州サミットに出席するため訪中した各国首脳に対して、中国人の温かさと友好を感じてもらうため、出来る限り意欲的・友好的にもてなした。中国側も実際に最大限の努力を尽くし、各国メディアの取材を含め、各国代表団に便宜を図った。また最大限に努力し、米国を含む各国代表団からのさまざまな要請に応じた。
しかしどのような大型国際会議もしくは多国間活動にも、通常の手法とそれに応じた手続きというものがある。ホスト国である我々は、現場の取材の安全性と秩序を守った上で、メディアに出来る限り便宜を図る。それと同時に、来訪した代表団もホスト国の国際的な慣例に基づく手法と計画を尊重し、従うべきだ。一部メディアは事実を明らかにせぬまま勝手に憶測するのではなく、中米首脳会談の積極的な成果や開催中のG20サミットなど、注目すべき所に焦点を絞るべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年9月6日