米国の「アジア太平洋へのリバランス」は何をもたらしたか

米国の「アジア太平洋へのリバランス」は何をもたらしたか。 米国のオバマ大統領はかつて、「米国はこれからの100年も世界をリードしていく」と語った。「アジア太平洋へのリバランス」戦略は間違いなく、この目標の実現のための重要な一環となる。だが地域の安全を守るという名目で行われた米国の一連の動きはむしろ、同地域に絶え間ない動揺を与えている…

タグ: アジア 太平洋 リバランス 軍事 覇権

発信時間: 2016-10-22 09:31:31 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

太平洋は広大だが「覇権」を収める余地はない

米国の「アジア太平洋へのリバランス」戦略はしかし、順風満帆というわけではない。米国の同地域における同盟国からはすでに、動揺が見られ始めている。

米紙『ウォールストリート・ジャーナル』は最近、東アジアの同盟体系において米国が困難に陥り始めているとする記事を掲載した。フィリピン大統領は当選以来、「反米」の言論を繰り返している。米国の駐フィリピン大使をののしったかと思えば、オバマ大統領には「地獄に落ちろ」と言い放ち、フィリピンと米国との軍事演習を停止すると脅し、さらには南中国海での共同パトロールと海上演習計画の一時停止を宣言。フィリピン紙『マニラ・ブレティン』は9日、「我々を少しは尊重すべきだ。私がここにいる限り、我々をドアマットのように踏みつけさせはしない。さもなければ後悔することになる」というドゥテルテ大統領の発言を伝えている。

「米国とフィリピンの関係は弱まっている。これはドゥテルテ大統領流の『リバランス』だ」と陶文釗氏は指摘する。「ドゥテルテ大統領は、アキノ3世がフィリピンと米国を接近させすぎたことがフィリピンに不利に働いていると考えている。米国がフィリピンに対して経済的な援助をしているといってもそれには限りがある」

軍事専門家の中には、フィリピンの占める重要な戦略的位置を指摘する声もある。フィリピン駐留米軍の追放という脅しは、米国のメンツをつぶしているだけでなく、米国の「アジア太平洋へのリバランス」戦略の重要な支点を崩し、米国を重大な打撃に直面させている。

ほかの国からも疑念の声が出ている。オーストラリアのウェブサイト「東アジアフォーラム」はこのほど、オーストラリア国立大学戦略国防研究センターのHugh White教授による「米国か中国かという選択」という論文を発表し、次のように論じた。米国の政策決定者とアナリストは、アジアにおける米国の主導権を守ろうと決意を固めているが、この目標をいかに実現するかを真面目に検討してはいない。彼らは、アジアの友好国と同盟国に対し、「米国が中国の野心を有効に抑えるのに協力しながら、中国との関係を深刻に損なわないことは可能だ」と説得しているが、これはほとんど不可能だ。オーストラリアやシンガポールなどの国々はこれで非常に難しい境遇に置かれている。「我々は、米国に引き続きアジアの事情に参加し続けてほしいと考えているが、現在の政策を支持したいとは考えていない。目標が高すぎる上、十分な手段を欠いているためだ。我々はまた、米国が中国に対し、譲歩して以前の状況を受け入れるよう圧力を高めていくことも望んでいない。対立と衝突につながることを恐れるためだ」

カナダのウェブサイト「グローバル・リサーチ」に掲載された文章で指摘されている通り、米国は、地域の安全を守るという名目で、中国との対決に向けた早足で向こう見ずな準備を進めている。これでは破滅的な結果をもたらしかねない。

米国は立ち止まって少し反省してみるべきだろう。中国が繰り返し訴えているように、現代の世界においては、近隣の国であれ遠方の国であれ、大国であれ小国であれ、互いに利益が混じり合い、安全と危険をともにする利益共同体・運命共同体を形成しつつある。中国と米国が歩むべきなのは、両国にとって利益があり、世界にも恵みをもたらす新たな道である。既存の大国と新興の大国とが真っ向からぶつかるという歴史上の失敗を再び犯してはならない。太平洋は、中米両国の共同発展を収めるだけの広さを持っている。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年10月22日

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