RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)は24日、25日に訪日するフィリピンのドゥテルテ大統領が23日の講演で、今回の訪日の目的と希望について語ったと報じた。ドゥテルテ大統領は「日本との協議は現在のところ順調で、25年内に償還すればよい長期のソフトローンを得ることに期待している」と述べた。またドゥテルテ大統領は、中国とフィリピンが「自制を維持」することで合意しており、武力により領土係争の現状を変えることはないと、安倍首相に伝えることを強調した。
フィリピンのヤサイ外相は19日に朝日新聞のインタビューに応じた際に「インフラ整備で日本からの協力に期待する」と述べ、ミンダナオ島の鉄道建設などで日本からの支援を得たいと表明した。
安倍首相はドゥテルテ大統領との会談で、ミンダナオ島の農業などのプロジェクト開発に約50億円の円借款を供与する方針を伝える。ミンダナオ島はドゥテルテ大統領の故郷。
安倍政権はアキノ前政権時代に南中国海問題をめぐり、フィリピンとの緊密な協力を目指していた。
ドゥテルテ大統領は訪中を終えフィリピンに帰国後、安倍首相との会談について言及した際に「協議の大半は経済協力になる」「共通の注目点には南中国海問題が含まれるが、会談が始まるまで何を話すかは分からない」と述べた。ドゥテルテ大統領は、中国とフィリピンが「自制を維持」することで合意しており、武力により領土係争の現状を変えることはないと安倍首相に伝えるとした。
さらにドゥテルテ大統領は、「中国政府には、南中国海問題について共に協議する機会を持ちたいと伝えた」と語った。
ドゥテルテ大統領が訪中期間の20日、米国と距離を保つ方針を明らかにした。植野篤志在フィリピン日本国大使館公使は21日の記者会見で「(日本とフィリピンの)良好な関係が変わることはない」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年10月25日