TPP終了、アジア太平洋が中国の時代を迎える

TPP終了、アジア太平洋が中国の時代を迎える。

タグ: TPP アジア太平洋 APEC

発信時間: 2016-11-21 13:12:56 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

リマAPECで、オバマ大統領は気乗りしない仕事を抱えていた。TPP(環太平洋経済連携協定)に参加する11カ国に対して、任期内のTPP発効を諦めた理由を説明する必要があったのだ。これはオバマ大統領が推進し、その他の参加国に働きかけてきた事業だからだ。

トランプ氏が勝利し、TPPが終了した。その他の参加国は米国に騙されたと感じており、米国の地域におけるリーダーシップ、大国としての求心力を損ねている。

オバマ大統領が何と言おうとも、途中で投げ出したという悪名から逃れられない。次期大統領に選ばれたトランプ氏はTPPに興味を持っておらず、共和党が支配する両院もTPPに関心を持っていない。

TPPが終了しても、アジア太平洋の自由貿易協力がチャンスを失うわけではない。例えば世界3位の経済大国である日本は、すでに準備を整えているようだ。米大統領選の結果が出る前に、衆議院はTPPを承認した。安倍首相がこうして、米国に逆にプレッシャーをかけたのだ。オバマ大統領が断念した後、日本はTPPのリーダーとしての責任を担うと約束した。しかし日本が一国でTPPの旗印を掲げても、「環太平洋」の責任を担うことができず、その他の参加国も乗ることはない。TPPはアジア太平洋の地政学的な経済協力体であり、米国のアジア太平洋リバランス戦略の支柱でもあるからだ。米国が離れれば、日本がこれほど大きな戦略的指導力を発揮することはできない。

この大きな責任を担えるのは、中国だけだ。ASEANが主導し中国が推進するRCEP(地域包括的経済連携)が、TPPの代わりになることができる。TPP参加国は12カ国だが、RCEPはアジア太平洋の16カ国を網羅する。豪州のジュリー・ビショップ外相は公の場で、「TPPに進展がなければ、その空白はASEAN10カ国、中国、豪州、インド、日本、韓国、ニュージーランドの16カ国でつくるRCEPにより補われる可能性がある」と発言した。

豪州はTPPの重要な参加国であり、米国の政治的・軍事的同盟国でもある。豪州の「裏切り」は、TPP参加国の米国への失望、中国が主導するアジア太平洋地域の経済・貿易協力への期待を浮き彫りにした。

ペルーのクチンスキ大統領は、米国を除く新たな環太平洋経済協力協定を構築するべきだと指摘し、中国やロシアなどを含むプランを打ち出した。

APEC主催国の大統領の発言は、アジア太平洋諸国の中国への信頼を示した。

重要なのは、中国がリーダーとしての責任を担う十分な実力を持つことだ。まず中国はハード面で米国に次ぐ能力を持つ。さらに中国は「一帯一路(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)」を推進している。危機後の時代に資本と生産能力を2大活性剤とし、相互接続により中国と世界各国のウィンウィンを実現する。

中国は世界ガバナンスで大きな成果を手にしている。まずは中国の伝統的な世界経済・貿易ガバナンスにおける発言権が高まっている。これはIMF(国際通貨基金)やWBG(世界銀行グループ)などのことだ。次に、人民元はIMFの特別引出権の構成通貨になった。それから中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)が、新たな世界金融ガバナンス機構になった。さらに中国のガバナンスが、世界的に承認された。一帯一路の提案、AIIBに対して、欧州諸国も中国支持を表明した。米国と日本のみが、旧秩序の主導権を守ろうとしている。

ポストTPP時代のアジア太平洋の一体化の責任を引き継ぐことは、中国の核心的な国益にも合致する。これはまず、地域経済貿易一体化で中国を孤立させようとする、米国の狙いが失敗したことを意味している。次に米国がアジア太平洋リバランスを推進し続けても、TPPという支柱がなければ物的基礎が備わらない。それから、中国の地域経済貿易における影響力を高める。TPPが終了し、米国のアジア太平洋における重要な同盟国である日本、豪州、シンガポールなどの失望が極まっており、中国と共にアジア太平洋経済貿易一体化の成果を共有せざるを得なくなっている。

中国はRCEPを推進するほか、FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)を推進している。米国主導の前途が不明なTPPには、12の参加国がある。ASEAN主導で中国が推進するRCEPは16カ国、FTAAPは21カ国だ。FTAAPが建設されれば、アジア太平洋で制度が最も整った、等級が最高で影響力が最大の、最も広く利益をもたらす自由貿易区になる。

TPPが終了し、アジア太平洋経済貿易一体化は中国の時代を迎えた。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年11月21日

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