壁の建設費、メキシコが怒り
トランプ大統領の就任はメキシコにとって、テキーラのように名状しがたい味わいだ。
トランプ大統領は選挙中、当選した暁にはメキシコとの国境地帯に壁を建設し、麻薬密売人と密入国者を遮るとし、さらに建設費はメキシコに負担させるとしていた。トランプ大統領は約束を守り、先月25日に大統領令に署名した。
メキシコはこの動きに猛反発した。ペニャニエト大統領は負担を断固拒否し、26日に両国の首脳会談のキャンセルを発表した。
メキシコの与論も激しい反応を示しており、政府に強い対応を求めた。米国製品のボイコット、米国人スパイの強制送還、米国への密入国者の放置、米国の麻薬撲滅キャンペーンへの協力打ち切りなどが提案されている。
ドイツをユーロ操作と批判
考え方や志向性が異なる者は行動を共にしない、ということだろうか。ドイツのメルケル首相がEUの苦しい前進を支えようと全力を尽くすなか、トランプ大統領は英国のEU離脱は素晴らしいと述べた。メルケル首相が難民問題で苦しむなか、トランプ大統領は上述した入国禁止令を出した。
トランプ大統領の就任後、米独関係は難航している。
トランプ大統領の「国家通商会議」の責任者であるピーター・ナバロ氏は、このほど再びドイツを為替操作国として攻撃した。ユーロは「隠れたドイツマルク」のようであり、米国やその他のEU加盟国から旨味を手にしているというのだ。
メルケル首相はこれに強く反撃した。ドイツ政府は欧州中央銀行による独自の制作制定を一貫して支持しており、欧州中央銀行に影響力を行使したことはないとした。また米国の新たな難民政策を槍玉に挙げ、特定の国と特定の信仰を持つ人々への無差別的な行動に正当性はないと表明した。
米独間の同盟関係にも亀裂が生じている。トランプ大統領はドイツがEUの中で一強になることを望んでおらず、EUが団結することも望んでいない。トランプ大統領とメルケル首相の駆け引きは、幕を開けたばかりかもしれない。
ともかくトランプ大統領は就任から十数日で、非常に高い行動力により選挙中の公約を次々と履行し、あっという間に世界中の話題をさらった。この「トランプ旋風」は、今後どこに向かうのだろうか?
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年2月4日