中国・フィリピン南中国海問題二国間協議枠組み第1回会議が本日、貴陽市で開かれる。これは中比両国が対話により海上係争を解決するため踏み出した重要な一歩だ。同じく貴陽市で、中国とASEAN10カ国は「南中国海行為準則」枠組み案を可決した。15年前に署名された「南中国海各方行為宣言」を実行に移し、最終的に同準則の合意に至るため、段階的な成果をもたらした。
南中国海は近年やや緊張していたが、これは域外の大国による介入が主因だ。新世紀に入ると、南中国海には地域内の国が戦争に至るという、差し迫ったリスクはほぼ存在しなくなっている。その後人々が南中国海の軍事衝突の可能性について論じる際に、米国と中国の海軍が双方の食い違いをコントロールできるかが論点となった。
フィリピンは現在、オバマ政権が計画した地政学のゲームから離れている。トランプ大統領も就任後、異なる興味を示している。中国は「まやかし」を信じない決意と能力を証明し、域外の大国は南中国海での介入が困難になってきた。こうして南中国海で、新たなページがめくられた。
中比の交渉ですぐに成果が出ることはないだろう。「南中国海行為準則」も枠組み案から正式な文書になるまで一定の道のりを歩む必要がある。しかし南中国海をめぐる会談が開かれ、これが定例化すれば、関連国と地域全体の勝利となる。これは軍事的手段による問題解決を排除し、平和的に問題を解決しようとする地域諸国の願いと決意を示すことになるからだ。
南中国海で最も重要なのは、平和と安定を揺るぎないものとし、域外の大国による介入を余計にすることだ。南中国海の地域諸国は自国の権利に最も関心を寄せると同時に、地域の平和と安定を最も重視している。介入に訪れる域外の大国にとって、地域諸国の権利と南中国海の平和は、中心的な関心事ではない。最も興味を持っているのは地政学だけで、中国にいかに厄介事をこしらえるかが最も重要な任務だ。
オバマ前大統領はアジア太平洋諸国を抱き込むTPPに取り組んだが、トランプ大統領は就任後にTPPから離脱した。米国のアジア太平洋リバランス戦略に協力する東南アジア諸国は、一粒もの成果を手にしていない。
米日などの国も地域諸国のように、貴州省での最近の進展を喜ぶことを願う。彼らは南中国海の平和を口にしてきたが、それが本意ならば今や地域の平和の流れが強まっているのだから、目標に合致しているはずだ。ところが情報によると、日本の安倍晋三首相は訪日したニュージーランドのイングリッシュ首相と、このタイミングでいわゆる共同声明を発表し、南中国海の「緊張情勢」への関心を示した。本当は何に関心を寄せているのか、怪しいものだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年5月19日