トランプ米大統領は31日、就任以来ホワイトハウスを初めて訪問した東南アジア諸国の指導者、ベトナムのグエン・スアン・フック首相と会談した。トランプ大統領はそれまで、ベトナムを「米国の雇用を奪う国」と位置づけていたが、ベトナムと「非常に大きな契約」を結んだと大喜びで宣言した。
しかしさらに意外だったのは、両国首脳が同日の共同記者会見で「南中国海」に一言も触れなかったが、その後発表された共同声明に「南中国海の航行の自由」「係争地の非軍事化」の重要性が含まれていたことだ。1日付NYタイムズは、ベトナムは米国のかつての宿敵から、「アジア太平洋で中国の拡張を阻止する前哨」になったと論じた。
中国外交学院の李海東教授は「ベトナムが米国のこのような位置づけを受け入れれば、冷戦の古い方針を再現しようとする、米国の駒に落ちぶれるだろう」と述べた。
米フォーチュン誌(電子版)が1日に伝えた情報によると、トランプ大統領はベトナムと数十億ドル規模の貿易協定を結べたことを称賛し、「ベトナムは我々と非常に大きな、数十億ドル規模の契約に署名した。これは米国に雇用が生まれ、ベトナムが非常に優れた設備を手にすることを意味する」と述べた。米商務省は、両国が総額80億ドルの13件の契約に署名し、2万3000人分の雇用を創出すると発表した。
ベトナムメディアの報道によると、トランプ大統領は会談で、両国関係の重視を強調し、今年11月にベトナムで開催されるAPEC首脳会議の出席に期待していると強調した。フック首相は「両国関係は重大な変革を経ており、現在は全面的な協力パートナーになった」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年6月2日