米露首脳会談、関係の改善はあるか

米露首脳会談、関係の改善はあるか。

タグ: 米露首脳会談

発信時間: 2017-07-10 15:05:35 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

トランプ大統領とプーチン大統領という、個性的で強面で馬が合う両首脳がG20ハンブルク・サミットでついに、初の首脳会談を実現した。今回のマンツーマンの交流は約2時間半に及び、予定されていた35分を大きく上回った。会談終了後、ティラーソン国務長官は記者に状況説明をする際に、両首脳は「前向きな化学反応」を起こしたと例えた。

G20ハンブルク・サミットで、メディアは両首脳が別れを惜しむ様子を捉えている。7日午前、両氏が初めて顔を合わせ、握手を交わし敬意を示し、同じテーブルに着席し開会を待った。英デイリー・テレグラフ紙はさらに、トランプ大統領が会場でプーチン大統領の背中を叩き、親しみを示す光景を撮影した。

両氏は親密ぶりをアピールしているが、米露間にはわだかまりが残されており、これを忘れるのは容易なことではない。今回の首脳会談では「建設的な」共通認識が生まれたが、専門家は会談が実質的な結果を出すかについては楽観していない。

まず米露のウクライナ問題の解決はほぼ不可能だ。ティラーソン長官はG20閉幕後、9日にウクライナを短期訪問した。これは米国のウクライナに対する慰問であり、さらには経済支援を提供し、米国の立場を示したとする分析もある。ウクライナ問題はロシアの核心的な戦略的利益に関わり、米国に譲歩する可能性は微々たるものだ。双方はそのことをよく知っている。トランプ大統領は就任前、ロシアがウクライナ情勢を沈静化させ、クリミアを「返還」することに期待していた。しかしプーチン大統領が、その思惑通りになることはない。

次に、テロ対策とシリア問題の解決において、米露は共通認識を見いだし妥結する可能性があるが、過激派組織「イスラム国」は重傷を負い、崩壊の日も遠くはない。「対テロ共同戦線」内に隠されているさまざまな食い違いも次々と浮上している。米露は「ポストIS時代」の利益分配をめぐり計算し、裏で駆け引きを展開している。双方はシリアの上空で、「非友好的な接触」を繰り返した。またシリアのアサド大統領の進退をめぐり、米露の駆け引きが避けられなくなる。

それから、米国の政治エリートと大衆メディアは、ロシアに強い反感を抱いており、これを短期間内に解消するのは困難だ。米国の対露経済制裁、ロシアの米大統領選への介入という2件をめぐるトランプ政権の態度と立場は、主流メディアと一致していない。しかし介入問題は現時点でも明らかになっておらず、トランプ大統領が軽率に、米露の長年に渡る恨みつらみを帳消しにすることはない。

米露関係は冷え込んでおり、相互信頼が著しく不足している。専門家は、両首脳の友好がいつまで続くかは、両国が一部の重大な戦略的問題をめぐりどれほど多くの共通する利益を見いだせるか、両首脳が利益共有・共同構築の過程で十分な政治資本を得られるかにかかっていると分析した。現状を見る限り、両国関係の持続的な改善の条件は、成熟にはまだ程遠い。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年7月10日

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