中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)の報告(以下、報告)は、改革の全面的な深化の全体目標を、中国の特色ある社会主義制度の改善と発展、国家統治体系及び統治能力の現代化の推進とした。報告は重点分野・肝心な部分の手配を行い、数多くの改革の着眼点を示した。
(1)供給側構造改革の深化:供給体系の質向上を主な取組内容に
報告は現代化経済体系の建設について、供給体系の質向上を主な取組内容とし、中国経済の質的優位性を大幅に高めるとした。
中国(海南)改革発展研究院の遅福林院長は「中国経済はすでに高度成長段階から高品質発展段階に転じている。品質と効果の優先を堅持しなければならない。供給体系の質を高めるためには、製造強国の建設を加速し、伝統産業の改善とアップグレードを支援し、現代サービス業の発展を加速し、インフラ網の整備を強化しなければならない」と指摘した。
(2)農村部土地制度改革の深化:第2期土地請負の満期後さらに30年延長
中国の大半の農村部の請負土地は現在、第2期土地請負期にある。報告は、土地請負関係の安定と長期不変を維持し、第2期土地請負の満期後さらに30年延長するとした。
河南省濮陽県西辛荘村党支部書記の李連成代表は「これは多くの農家を安心させた。第19回党大会が明確に発した政策のシグナルは、農家の心を落ち着け、農業の規模化経営を促し、家庭農場や農業企業を中心とする新型農業経営主体を育成する。より多くの資金・技術・人材の、農村部と農業への流動を促す」と話した。
(3)金融体制改革の深化:システマティックな金融リスクを防止
システマティックな金融リスクの防止は、重大リスクに警戒しこれを解消する攻略戦の重要任務だ。報告は、金融監督管理体系を健全化させ、システマティックな金融リスクの発生を防止するとした。
中国銀行業監督管理委員会主席の郭樹清代表は「金融リスクの防止と銀行業の市場混乱の是正について、今年は3つの重点分野が確定された。まずこの3分野は、シャドーバンキング、クロスファイナンス、不動産バブル、地方政府債務など、比較的際立ったリスクを網羅している。同時にこれと関連する操作面のリスクが存在するため、改善に専念しなければならない」と表明した。