世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)が23~26日の日程でスイス・ダボスで開かれている。テーマは「分断された世界で共有の未来を創造する」だ。(文:石建勲・同済大学財経研究所所長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
中国の習近平国家主席は1年前、ダボス会議とジュネーブの国連欧州本部で「時代の責任を共に担い、全世界の発展を共に促進」「人類運命共同体の共同構築」と題する基調演説を相次いで行い、世界の広範な注目と共鳴を呼んだ。今年のダボス会議のテーマは、習主席の両演説のテーマの延長線上にあるといえる。
近年、中国の打ち出した「人類運命共同体の構築」理念と「共に話し合い、共に建設し、共に分かち合う」原則に注目が集まっている。中国は新たな理念や原動力の面で、世界と経済グローバル化に新たな貢献をした。
中国は経済グローバル化に新たな理念を与えた。1年前、保守主義、ポピュリズム、保護主義、排外主義など「反グローバル化」の思潮が台頭し、世界が開放と閉鎖、協力と衝突、変革と守旧の選択に直面する肝要な時にあって、習主席はダボスと国連欧州本部を訪れ、中国が保護主義に旗幟鮮明に反対し、経済グローバル化のより包摂的であまねく恩恵を及ぼす方向への発展を先導することを、世界に向けて厳かに表明した。
人類運命共同体構築の理念は過去1年で国際社会に幅広く受け入れられ、国連の関係文書や決議に複数回盛り込まれた。時代の進歩の潮流に符合し、包摂性と先見性を備え、民族・国家・イデオロギーを超越するこの先進的理念は、グローバル・ガバナンスを改革し、完全なものにする新たな理念であるのみならず、経済グローバル化の発展の新たな方向であり、さらに世界経済のてこ入れとなる新たな考えだ。
中国はグローバル化に新たな原動力を与える。中国は新型のグローバル化を積極的に後押しし、開放的発展を堅持し、自らの繁栄・発展実現に環境を整え、人類運命共同体の構築にも力を捧げる。2017年5月に「一帯一路」国際協力サミットフォーラムが北京で開催された。これは各国が「一帯一路」を共に話し合い、共に建設し、協力の成果を共に享受する盛大な国際会議であり、互いの発展戦略を連携する重要な協力の場でもあった。会期中及びその前に、一連の共通認識にいたり、270件余りの具体的成果を築いて、「一帯一路」建設協力事業の実行を深く進め、国際協力の新分野を開拓し、新たな目玉をつくり、沿線国さらには世界各国の互恵・ウィンウィンと共同発展を推進するために積極的な貢献をした。
2017年に中国のGDPは82兆7000億元に達し、成長率は6.9%と7年ぶりの回復をみせた。成長の原動力は消費が中心で、GDP成長に対する最終消費支出の寄与率は58.8%に達した。国際通貨基金(IMF)の報告は、2017年に中国は世界経済の成長に対する寄与で約3分の1を占め、世界経済・貿易の回復を牽引したと指摘した。2018年11月には上海で第1回中国国際輸入博覧会を開き、中国市場の開放と共有を通じて、責任ある大国としての中国の姿を示す。これはデモンストレーション効果の形成にプラスであり、人類運命共同体の構築推進の環境を整え、世界経済の力強く持続的かつ均衡ある成長にとって一層の貢献となる。
世界は1つの大家族だ。世界経済は互いに融け合い切り離せず、いかなる国、企業、個人も単独で国際舞台における様々な試練に対処することはできず、一致協力して、互恵・ウィンウィンの運命共同体を共同構築する必要がある。開放的、包摂的、均衡的、ウィンウィンの新型の経済グローバル化を築き、人類運命共同体を構築するという歴史の潮流を阻むことはできない。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年1月24日