ロシアは2017年夏、アメリカ航空宇宙局(NASA)が中心になる月軌道宇宙ステーションの研究に参加することにやむなく同意した。同プロジェクトは2020年代中頃に、ISSの代替を果たす。しかし同プロジェクトはまだ計画段階にあり、米露関係が持続的に悪化していることから、ロスコスモスはその他の可能性に目を向けることを決定した。ロスコスモスは2月末、中国の宇宙ステーションにハードを提供し、中国と提携する可能性の評価を専門家に指示した。
中国は2020年に、ロシアの「ミール」に似た初のマルチモジュール宇宙ステーションを打ち上げる予定だ。中国の宇宙事業当局者は長年に渡り、その他の宇宙大国をこの軌道基地計画に招こうとしてきた。現在の動きを見ると、中国にやや有利な状況となってきた。ロシアの他に、欧州宇宙機関や日本も中国の宇宙ステーションに加入することを再検討している。
ロスコスモスのイゴール・コマロフ社長は2017年6月、ロシアは中国の宇宙ステーションに招待されたと述べたが、計画的に協力は不可能とも話した。
ロシアと中国の提携に関する最新の動きは、まだ非常に初歩的な段階に留まっており、政策面の変化をもたらすことはない。米国も完全に冷遇されているわけではなく、民間宇宙企業との協力の検討を余儀なくされている。これにはスペースXやユナイテッド・ローンチ・アライアンスが含まれる。しかし最終的にどのような決定が下されるにせよ、この3カ国の未来の有人宇宙飛行任務に深い影響を及ぼすことだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年3月17日