声明で最も注目を集めたのは、最終段落の前提条件だ。「中米間の成果は、双方が共に向き合い歩み寄り、貿易戦争を起こさないことを前提とすべきだ。米国側が追加関税を含む貿易制裁措置を講じれば、双方の交渉によって形成されたいかなる経済・貿易の成果も効力を発揮することはない」
この極めて率直な表現には、今後の変化をけん制し、基調を定める狙いがあった。現在の米国の政権内、さらには米国の政界全体には、中国に対するさまざまな観点があり、重視する点が異なっている。代表団内にも、これらの観点に呼応する者、その利益を代表する者が存在するほどだ。
前提条件を掲げることで、双方の協議のレッドラインを直接示した。米国側の個別の部門や人物が策を弄することで、中国側が直ちに協議のドアを閉ざすことはない。しかしそれと同時に米国の指導者が誠意を持っているか、内部の食い違いを解消する腕前を持っているかを観察する。この共通認識の基礎さえ存在しなくなれば、中国側が自国の利益を譲り渡すことはない。
流れに基づくと、米国代表団はワシントンに帰国後、トランプ大統領に進展を報告することになる。そのため協議の細部については、最終確認を待つ必要がある。ただし、中米両国の経済構造と発展の論理に順応すれば、双方は各自が関心を寄せる分野でより大きな協力の空間を持てるはずだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年6月5日