ミュンヘン安全保障会議から、百年に一度の激変を見る

ミュンヘン安全保障会議から、百年に一度の激変を見る。

タグ:ミュンヘン安全保障会議 多国間主義

発信時間:2019-02-18 15:14:32 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 会期3日の第55回ミュンヘン安全保障会議(以下「会議」)が17日に閉幕した。中国は多くの国と共に、多国間主義を守り協力を強化する力強い声を出した。この声は一国主義を囃し立てる声を圧し、不確実性が満ちる世界に安定性と積極的なエネルギーを注ぎ込んだ。


 「世界のパズル:誰が組み合わせるのか」という会議の主催者が発表した年間安全報告の表題は、人々に熟考を促した。会議のヴォルフガング・イッシンガー議長は「現在の世界は大小様々な危機に直面しており、さらに時代の大きな変化を迎えている。国際レジームは再編中だ」と述べた。


 古い危機はまだ解消されていない。英国のEU離脱をめぐる苦しい交渉は紆余曲折を経ており、見通しも立っていない。イエメン、シリア、リビアの戦乱が続いている。ポピュリズムが欧州の政治に衝撃をもたらしている。


 新たな危機が再び生じている。米国による貿易摩擦が世界から懸念されている。サウジ記者殺害事件をめぐり、中東諸国が地政学的な駆け引きを展開している。フランスの黄色いベスト運動は、経済・社会の発展バランスの乱れの深い矛盾を浮き彫りにしている。


 より長い期間・スパンで見るならば、一国主義、孤立主義、保護貿易主義は多くの苦しい結果を生む。国際情勢は近年大幅に変動しており、不安定性・不確定性・予測不可能性が常態化している。戦略的なトラブルが戦略的な危機を生む可能性が上がっている。


 会議の多くの出席者が、この現実に対する懸念を示した。


 ロシアのラブロフ外相は、西側諸国は多くの安全問題について議論する際にロシアを除外しているが、これは地域の安定に資さないと表明した。エジプトのシーシー大統領は、アフリカの水資源不足、貧困、低雇用率は未来の地域安全のリスクを生むと指摘した。ドイツのフォンデアライエン国防相は、技術進歩や気候変動は新たな安全の脅威を増やすと述べた。


 中共中央政治局委員、中央外事工作委員会弁公室主任の楊潔篪氏は会議でスピーチを行った際に、「グローバル・ガバナンスの強化、グローバル・ガバナンス体制の変革の推進は時代の流れ、大勢の赴く所だ。既存のグローバル・ガバナンス体制の改革はやり直しではなく、別の体制を作るものでもなく、時代と共に進む改革と改善だ」と述べた。


 主催国・ドイツのメルケル首相は、マクロな視野で総括を行った。戦後に構築された国際レジームは、すでにグローバル・ガバナンスの需要を満たせなくなった可能性があり、それに応じた調整と改革が必至だと述べた。


 一国主義を進めゼロサムゲームを展開すれば、地政学的なバランスが乱れ変動が生じることは、過去の経験によって示されている。対抗の代わりに協力を選び、独占の代わりにウィンウィンを選ぶことで、人類社会の共同の安全を保証できる。


 ドイツには「一人の努力は足し算、一つのチームの努力は掛け算」ということわざがある。中国には「一本の線は切れやすいが、一万本の線は船を引ける」ということわざがある。楊氏はスピーチの中でこの二つのことわざを使い、国際協力を絶えず強化し、多国間主義を確固不動の姿勢で守るという中国の主張を伝えた。


 この主張は世界的な問題に対応する各国のプランと期せずして一致した。会議は各国の代表者が多国間協力によってウィンウィンを実現するという理念を伝える場になった。


 メルケル氏は「我々は多国間主義のために取り組み、単独で問題を解決できると考えている人に反対するべきだ」と述べた。


 ラブロフ氏は「各国は21世紀に、植民地時代や冷戦時代の排他的な考えを持つのではなく、危機を解消するため手を携えるべきだ」と述べた。


 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年2月18日


TwitterFacebookを加えれば、チャイナネットと交流することができます。
中国網アプリをダウンロード

日本人フルタイムスタッフ募集    中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで