第13期全人代第2回会議プレスセンターは3月7日に北京の梅地亜中心(メディアセンター)で記者会見を行い、国務院貧困支援開発指導グループ弁公室の劉永富主任が「堅塁を攻略し難関を克服する――断固として貧困脱却の堅塁攻略戦に打ち勝つ」に関する問題について国内外の記者の質問に答えた際、「貧困脱却の堅塁攻略戦はすでに3年間行われており、明らかな成果を上げている。中国の貧困人口は2012年の9899万人から2018年の1660万人まで減少し、6年間で8000万人以上減少した。貧困脱却の堅塁攻略戦により貧困地区のインフラと公共サービスは大いに改善され、産業発展と生態系の改善も促進された」と述べた。
貧困脱却問題について、全国政協委員・西蔵(チベット)自治区農牧科学院院長のニマザシ氏は「西蔵の絶対貧困をなくすためには、まず食料の心配をなくさなければならず、ハダカムギ産業の繁栄も西蔵が農村振興戦略を実施する上で大きな意義を持つ」と述べた。ハダカムギは西蔵の食料安全を保障する重要な作物であり、農牧民の収入増加の重要な源でもあるとニマザシ氏はみている。
全国政協委員・西蔵自治区農牧科学院院長のニマザシ氏(撮影・本誌記者夏媛媛)
過去数年間で、西蔵のハダカムギの生産量は飛躍的に増加した。2012~2018年で西蔵全区のハダカムギの年間生産量は65万トンから80万トンに増加した。ハダカムギの生産量が増加するにつれ、ハダカムギ加工業の産業化発展も絶えず推し進められ、貧困脱却と収入増加の重要な方法となった。ニマザシ氏によると、西蔵全区で、ハダカムギ加工企業は合わせて40社以上あり、ハダカムギ酒、ハダカムギクッキー・ビスケット、ハダカムギチップス、ハダカムギ麺、ハダカムギマントウ(中国風蒸しパン)など、深加工を経て、ハダカムギ製品の付加価値は向上し、農牧民の収入は大幅に増加した。同時に、ハダカムギ産業は西蔵自治区の農牧民のために大量の雇用を創出した。
今年の全国政協常務委員会の活動報告の中で、農村振興戦略、農村産業のモデルチェンジとアップグレード、「三農」(農村、農業、農民)活動人員づくりなど、農業分野の内容が重ねて言及された。今後の西蔵における農牧業の発展に対し、ニマザシ氏も自身の考えと提案を持つ。チベットはハダカムギの主な産地であるだけでなく、ヤクとチベットラムの主な飼育地の一つでもある。「現代牧畜業産業システムと集約・高効率産業化の飼育モデルの構築は西蔵の農牧地と牧畜業における発展を推進する上での差し迫った要求だ」。この他に、ニマザシ氏は西蔵ハダカムギの市場化とその他製品における国内外市場への販売などにおいて国から更なるサポートを獲得できることを期待するとした。
「北京週報日本語版」2019年3月7日