米国防総省は2日、米韓が春に予定していた大規模な合同軍事演習を停止し、外交の努力による朝鮮半島非核化という目標達成を促すと発表した。
朝鮮はこれに対して正式に態度を示していないが、これまでの一貫した立場から考えると、この動きは朝鮮側から歓迎されると分析する声もある。半島の非核化に向けた交渉に進展がなく、2月末の第2回朝米首脳会談で合意に至らなかったが、米韓のこの動きは半島の平和プロセスに対して積極的な意義を持つ。
情勢緩和
国防総省は2日夜に発表した声明の中で、米韓は春に開催を予定していた合同演習「キー・リゾルブ」「フォール・イーグル」の中止を決定したと発表した。この決定は双方が朝鮮半島の緊張情勢を和らげ、外交の努力による朝鮮半島非核化という目標達成を促そうとしていることを反映した。
しかしトランプ米大統領は異なる意見を述べている。トランプ氏は3日、軍事演習の停止についてツイッターで「単に数億ドルの払い戻しなしの出費を節約するため」とし、これが大統領就任前の長期的な立場であることを強調した。しかしトランプ氏は同時に、「この時期に朝鮮と緊張関係を和らげるのは良いこと」とした。
アナリストは、トランプ氏が「節約」を「緊張緩和」の先に持ってきたのは、国内の選挙に向けた政治的な考慮によるものかもしれないが、本人の動機はどうあれ朝鮮側の一貫した立場から見れば、米韓の軍事演習中止は半島の平和プロセスにとって有利と判断した。
朝鮮はこれまで米韓合同演習に反対し、これは「侵略戦争、核戦争の演習」と抗議してきた。昨年は関連国の共同の努力により、半島情勢に重大な転機が生じた。南北首脳は会談を3回開き、朝米首脳が初の会談を実現し、半島問題が政治的な解決の軌道に戻った。半島情勢が好転するなか、軍事演習などの軍事行動は悪影響を生むばかりで、半島の安全と安定に資することはない。
朝米首脳が昨年6月に初めて会談した後、米国は8月に韓国と予定していた年間合同演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」を中止した。これは対立をある程度弱め、半島の緊張情勢を和らげる積極的な効果を生んだと分析されている。
ブルームバーグは米韓が春の大規模な合同演習を中止したことについて、朝鮮の長期的な願いを満たしたと伝えた。米公共放送サービス(PBS)も、これは朝鮮に差し伸べた「友好の手」だと報じた。