9日に開かれた中国EU首脳会議で共同声明が採択され、見送りかという一部欧米メディアの憶測を打ち消した。李克強総理、ユンケル欧州委員長、トゥスク欧州理事会常任議長が共同で署名したこの共同声明は内容が非常に広範で、双方の戦略レベルの共通の関心事のほか、貿易分野の多くの注目点についても言及しており、双方の広い共通認識を反映した。「環球時報」が伝えた。
中国とEUの共同声明発表とほぼ同時に、トランプ米大統領はEUの110億ドルの商品に関税を上乗せすると脅迫した。貿易戦争の終了に向けた中米の協議はまだ終わっていない。中国とEUの間には多くの食い違いが残されているが、協力の大局を堅持し、協議により紛争を解決するという双方の手段はより建設的だ。現在の世界に対する積極的かつ前向きな見本だ。
欧州メディアは最近、EU・中国関係を悲観しているが、双方が手にした現実的な進展は双方の関係をより力強く描写している。習近平国家主席は先ほど欧州訪問で大きな成功を手にし、双方の関係を前向きに前進させる基調をさらに確かなものにした。今回の中国EU首脳会議で共同声明が採択されたことは、双方が具体的な問題をめぐり進展を実現できる能力を示した。
共同声明には差別なき市場参入、知的財産権の保護、5G技術の協力といった双方が注目する問題が含まれた。中国とEUの対抗を煽る声には無理があり、説得力が欠けていることが証明された。
いずれも貿易摩擦でありながら、米国とEUは互いに関税を上乗せする対抗を選択したが、中国とEUは協議と対話を終始中心的な地位に据えている。これは経済的な意義の差だけではなく、国際政治の意義の差でもある。
米国とEUは同盟関係であり、「親戚」と描写されることが多い。しかし不平等な親戚関係がもたらす悩みは、調和的に協力する友人間の問題よりも大きい。一国主義と呼ばれるものが、国際関係の中で際立った問題になっている。
中国とEUは世界の2大経済勢力であるが、双方の発言権を集めても十分に大きくはない。これはよく考えるべきことだ。中国とEUの共同の利益は西側メディアから過小評価されている。西側メディアは一つの全体として、米国の国益に過度にリードされている。欧州の利益はなおざりにされている。
互いに確固不動の姿勢で協力を拡大することは、中国とEUにとって唯一の選択肢だ。また協力の強化については中国とEUの間で協議し模索するべきであり、第3国の影響を受けるべきではない。この原則の確立は、中国とEUの利益にとって重要な意義を持つ。
より明確に言えば、中国とEUは米国という重力場を適切に処理しなければならない。中国とEUが共に米国に対応する必要は当然ながらなく、実行も不可能だ。しかし中国とEUのどちらかは、米国との関係を利用し相手側に圧力をかけようと夢見るべきではない。そうなれば中国とEUの双方にとって害となる。
中国とEUには重大な利益の衝突がない。双方は互恵で公平な協力の拡大を続ける意向、それから協議により紛争を解決する実際の能力を持つ。双方の関係に対するこのような基礎的な認識は確固不動のものであるべきだ。双方は相互関係を整理し、価値観や伝統的な地政学的思考が双方の関係にもたらすさまざまな障害を取り除く必要がある。
中国EU首脳会議で共同声明が採択されるかは、そもそも大きなことではない。これまでの会議では採択される場合もされない場合もあったが、中国・EU関係が発展を続ける流れは一貫しているからだ。しかし今回は採択されないと噂されていたにも関わらず最終的に全面的な共同声明が採択され、この特殊な時期に非常に強いシグナルを発することになった。
世界が現在どのようであるにせよ、また中国とEUの間にどれほど多くの現実的な問題と困惑があるにせよ、双方の関係は引き続き、より力強く前進する。これは多くの人が受け取った強いシグナルだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年4月10日