暴力が続く香港、不況に苦しむ現地人

暴力が続く香港、不況に苦しむ現地人。

タグ:香港 暴力 不況

発信時間:2019-08-09 15:05:42 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 8月上旬の昼下がり、強い日差しが照りつける港島西環歌連臣街の交差点の信号には、数日前に破壊された痕跡が残っていた。トランクを運ぶ観光客の注意を引いた。


 入口を通り過ぎた少数の観光客を見ながら、街のホテルでロビーを管理している裴さんは、フロントの奥でため息を漏らしていた。最後の宿泊客がチェックインしてからもう数時間たっていたが、次の宿泊客がいつまでも訪れなかった。「本当に苦しい、今年は去年と比べて不景気だ」


 銅羅湾利園山道一帯で衣料品を販売する黎さんも悩んでいた。人の姿がまばらなのを見て、彼は眉をしかめて仕事にならないとため息を漏らした。


 「ニュースを見て何かが起こることが分かると、仕事をやめて1日休む。どのみち混乱して商売にならず、交通渋滞で家に帰れなくなるかもしれないからだ」黎さんは仕方なさそうに「生きる道」を語った。


 香港では6月9日から現在まで抗議デモが行われ、暴力と衝突が度々発生している。現地の商店の仕事を妨害しており、観光客に香港旅行を回避させている。


 観光客の減少が直接影響を及ぼすのはホテル業界だ。7、8月の伝統的な観光シーズンであっても、業界全体が不況にあえいでいる。裴さんが働くホテルを例とすると、昨年の夏休みの平均宿泊料金は約600香港ドルだったが、現在は300香港ドル余りに急落している。今後もさらに低下する見通しだ。


 裴さんは「今年が不景気なのは間違いない。ホテル業界はみな『時価』で、混乱が生じれば料金が急落することもある。さらに悲惨なことに、どれほど料金が下がっても観光客が戻ってこないことだ。また一部の宿泊客は、予約を入れていた部屋をキャンセルしている」と苦しそうに語った。


 裴さんによると、夏は客室稼働率が90%を超えるのも珍しくはないが、今年は70%にも満たない。「抗議デモが頻繁すぎるから、どうしようもない。過激な参加者は放火し人を殴り、交通を麻痺させている。あれに驚かない人はいない。うちのホテルの近くの信号も壊れている。数日前に壊されたばかりで、宿泊客の何人かが外に出て目にすると、驚いて部屋をキャンセルしようとした」


 小売業とホテル業界は密接に関わっている。抗議デモが多発している銅羅湾の商店は、苦しみの声をあげている。銅羅湾は賑やかで観光客が殺到し、飲み物を購入するだけでも長い列に並ばなければならない。ところが今や人が大幅に減少し、店の売上が激減している。


 銅羅湾波斯富街の美髪用品店で働く黄さんは「暴力的な衝突が激しさを増しているが、店側はどうしようもない。店は安全問題を懸念しているが、生活が苦しくテナント料を支払わなければならないので、仕事を続けるしかない。ニュースに注意し、何か起きればすぐに閉店するだけだ」と話した。


 銅羅湾で携帯電話の部品を販売する王さんは記者に、「最近は観光客も地元の客も激減している。私は銅羅湾で10年近く商売しているが、これほどの不況は初めてだ」と述べた。


 先ほど発表された最新の観光業データによると、6月に香港を訪れた観光客数は約514万人で、前月比77万人減となった。ホテルの客室稼働率は87%で、前年同月比3ポイント減。小売業の売上は前年同月比6.7%減の352億香港ドルと見積もられている。


 裴さんは「私も観光客だったら危険な場所に行こうとはしない。香港が安定せず、私たちの心もかき乱されているのだから、外からの観光客も安心して香港を訪れることができようか」と述べた。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年8月9日

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