米国にとっては、アジア太平洋で存在感を維持すると同時に、支出を減らす必要がある。日本や韓国などの同盟国に対して米国と戦略的な一致を求め、米国が担っていた責任の一部を負担させる。これは現在のトランプ政権の方針だ。
そのため米国側は今回、米国側の「有事」の際に韓国側に支援を提供するよう求めた。韓米のインド太平洋における協力の強化も、米国にとっては一種の必然性を持つ。
韓国にとって、米国の「有事」の際の援護にせよ、米国が推進するインド太平洋戦略との連携にせよ、いずれも大きなリスクを秘めている。韓国は米国の「戦車」により強く縛り付けられ、外交及び安全事業における韓国の自主性がさらに弱回る。
インド太平洋戦略の推進において、韓国が見せかけだけで力を入れなければ米国の信頼を失い、米国から強い圧力を受ける。米国による中国包囲・けん制に積極的に協力すれば、THAAD配備問題により損なわれた中韓関係をさらに悪化させ、地域の安全と安定を脅かすことになる。韓国の政治家はこれを熟慮しなければならない。(筆者・楊丹志 中国社会科学院地域安全研究センター主任補佐)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年11月8日