「デモ隊は香港を麻痺させ、ストップさせようとしているが、これは極めて自己中心的な行為だ。暴力的な抗議活動が狙い通りになることはなく、口にしている政治的な主張を実現することはない」香港特別行政区の林鄭月娥長官は12日午前の記者会見で、過激派が同日も「3つの停止」(ストライキ、都市機能停止、休講)を呼びかけ、暴力行為を絶えずエスカレートさせていることを批判した。「環球時報」が伝えた。
11日の「黎明行動」に続き、香港の一部の暴徒は12日に「夜明け行動」を起こした。各地の主要道路を占拠し、市民に「3つの停止」を強制することが狙いだ。デモ隊は12日未明に集団で姿を現し、信号を破壊し、バスのタイヤに穴を開けた。旺角の弥敦道だけでも50台のバスのタイヤに穴が開けられた。『環球時報』の記者は同日昼、旺角を訪れた。路線バス数十台が弥敦道に停まり、ドアが開いていた。運転手の姿はなかった。バスのタイヤのすべてに穴が開き、運転できなくなっていた。現地の交通は完全に麻痺していた。
暴徒は香港鉄道の各路線にて、鉄道もしくは車両に柵など、さらには火炎瓶を投げつけた。沙田駅では列車が鉄道に捨てられた自転車にぶつかった。これが挟まったため停車を余儀なくされた。乗客は下車し、線路上を歩いて離れるしかなかった。紅磡駅と大水坑駅で、暴徒は線路に火炎瓶を投げた。これにより都市間直通車の南・北行きの全便が停止となった。『香港商報』(電子版)が12日に発表した動画によると、ある暴徒が燃えている火炎瓶を手にし、走行中の東鉄線の列車に投げた。幸いにも列車には命中しなかった。香港の多くのネットユーザーは暴徒の行為を目にすると、「テロリストだ」「これが民主か?これは謀殺だ」と憤りを露わにした。あるネットユーザーは「まだ分からないのか?彼らは一般人の交通ツールを破壊の標的とし、多くの死傷者を出そうとしているのだ」とコメントした。
理性を失った多くの暴徒は歩行者や車内の乗員の安全を顧みず、陸橋や高所から鉄棒、鉄筋、ガラスなどを投げた。環球時報の記者は12日午前7時頃、香港理工大学付近を車で通過した際に、歩道橋から投げられた鉄パイプに当たりそうになった。香港メディアは同日午後、香港理工大学に向かう道で、暴徒が歩道橋から2メートルもある木製のテーブルを投げた。
多くの大学及び周辺地域が、暴力が最も盛んな場になっていることに注意すべきだ。黒服のマスク着用者が12日午前、香港中文大学で警備中の警察と対峙し、警察側に火炎瓶を30本以上投げた。さらに一部の暴徒は学校の物置に入り、スポーツ用の弓や槍などの殺傷力の高い用品を持ち出し警察と対峙した。キャンパス内がさながら戦場と化した。環球時報の記者は同日午後、車で香港中文大学に向かったところ、校門で黒服のマスク着用者がバリケードを作り、車が学校に入れなくしているのを目にした。情報提供者によると、校内はすでに混乱を極めており、暴徒があちこちで破壊と放火を行っているという。遠くから見てもキャンパス内から黒煙が上がるのを目にできた。
香港の一般市民は現在、不安に陥っている。香港大学付近の歩道橋の下で12日、ある男性が車を運転中にやむなく下車しバリケードをどかしたが、直ちに歩道橋に陣取っていた黒服の人物にレンガを投げられた。男性は頭を負傷し、血が止まらなかった。暴徒は11、12日、スクールバスに火炎瓶を投げ、破壊した。香港の多くの小中学校が12日、緊急休校となった。
人々は特に、暴徒が11日に市民を火だるまにしたことに注目している。香港警察は12日、襲撃を受けた市民は上半身と頭に大火傷を負い、術後も混迷状態が続き、危険な状況と発表した。警察は殺人罪で捜査を進めている。
香港警察公共関係科の江永祥・高級警司は12日午後の記者会見で、「暴徒の行為により社会の秩序が失われ、市民生活が恐怖に包まれている。私は高所から物を投げることで民主を勝ち取れるなど聞いたことがなく、公共の安全が大きな脅威にさらされるのを見るばかりだ」
江氏は「警察は11日に287人を逮捕した。うち学生は190人で約3分の2。警察にはキャンパス内に入り法執行する権利はないと疑問視する人もいるが、法を犯そうとする者がいれば警察は法を執行する。捜査令状がなくても、我々は法律から(法執行する)権力を与えられている。学校、店、地下鉄のいずれであっても、法が存在する。警察は香港のどの場所であっても、犯罪者が身を隠す場所になることを許さない」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年11月13日