米ホワイトハウスは10日、ドナルド・トランプ米大統領がメラニア夫人と共に、今月24、25日にインドを訪問すると発表した。トランプ氏は大統領就任後で初のインド訪問となる。
日程によると、トランプ氏はまずインドの首都ニューデリーとグジャラート州アーメダバードを訪問する。後者はインドのナレンドラ・モディ首相の故郷で、ガンジー・アシュラムがある。
ホワイトハウスのステファニー・グリシャム報道官によると、両首脳は先週末の電話会談で日程を決め、今回の訪問が「両国の戦略的パートナーシップをさらに強化する」と判断した。
【プレゼントを用意】
匿名のインド国防消息筋によると、インド政府は今後2週間内に26億ドル規模の武器調達協定を承認し、米軍需大手ロッキード・マーティンからMH-60Rシーホークを24機購入する予定だ。
防衛産業の消息筋によると、協議の日程を短縮するため、インド側は米国の海外武器販売ルートによる調達を選択する。両国政府が協定の詰めの作業を行う。「これは政府間協定で、すでにほぼ合意に至っている」
ロイター通信によると、モディ政権はトランプ氏の訪問中、両国関係の強化を目指す。トランプ氏は長期的な対印貿易バランスの乱れに不満を持っており、インドを「世界の関税の王」と批判したことがある。しかしインド側は米国側の懸念を和らげるため取り組み続けており、米国側と貿易協定の早期合意を目指している。
インドは近年、武器輸入でロシアへの依存の脱却を目指しており、2007年より米国から累計170億ドルの軍事装備品を輸入している。
【地政学的な考え】
一部の政治アナリストは、米国がインドとの関係を強化しようとしているのは、地政学的な考えに基づくものとしている。
米ハドソン研究所メンバー、パキスタンの元駐米大使のフセイン・ハッカニ氏は、「米国は世界の地政学的な駆け引きにおいて、とりわけ英国とインドを重視している。インドは米国の21世紀の大国競争における最も信頼できるアジアのパートナーになりうる。これは20世紀の英国が欧州で演じた役割と同じだ」と述べた。
米ザ・ヒル紙によると、トランプ氏は今回の訪問でモディ氏と、二国間貿易協定の最後の詰めに入るとみられる。
米カーネギー国際平和財団のミラン・バイシュナブ氏は、「双方はトランプ氏の訪問中、限定的な貿易協定を結ぶ可能性が高い。軍事協力などの分野において、米印関係はより密接になる。しかしインドの自国に対する位置付けは米国側の考えと異なり、米国の地政学的な駆け引きにおける駒になろうとしていない。インド人は実際に、他国の身勝手な議論に憤っている」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年2月12日