新型コロナウイルス肺炎の感染状況に積極的に対応し、雇用安定活動に取り組むため、山東省、遼寧省、貴州省、湖南省などの各地が失業給付金の基準を引き上げた。
うち山東省は、労働者が一時的に失業した場合、規定に基づき失業給付金を受け取れることを明確にした。2020年2月より失業給付金の基準を現地の最低賃金の90%に引き上げ、かつ「失業者が受給を申請し、審査面談を行わない」という形式により、失業者が早急に失業給付金を受け取れるようにする。
遼寧省は、感染対策期間中は失業者の基本的な待遇の保障を強化し、感染終息後3カ月まで一時的に失業給付金の基準を引き上げることを求めた。失業者の失業前の勤務先及び本人の失業保険加入期間が1年以上10年未満の場合、失業給付金基準を現行の現地の最低賃金の85%から90%に引き上げる。10年以上の場合は90%から95%に引き上げる。
貴州省は、2020年2月より現地の失業給付金計算基準を1類地区最低賃金の90%(月1611元)に統一的に引き上げることを決定した。2019年12月より、失業保険の受給期間が満期になった後も就業しておらず、かつ法定定年退職年齢まで1年未満の人に関しては、法定定年退職年齢になるまで失業保険の給付を続ける。
湖南省は、2020年3月1日より失業保険待遇を最低賃金の90%に引き上げ、農民工(農村部からの出稼ぎ労働者)が失業保険の関連待遇を同等に受けられるよう取り組むとした。積極的な指導、扶助の奨励、再就職支援などの措置により、生産能力削減による退職者、退役軍人、障害者、禁漁による失業漁師などの重点集団の就業を統一的に計画・実施する。ゼロ就業家庭をなくす。
北京大学国民経済研究センターの蘇剣主任は取材に応じた際に、「失業給付金の基準引き上げは、労働者の所得増につながる。マクロ経済の面を見ると、この措置は消費安定を促す。社会的な面を見ると、社会の安定を促す」と指摘した。
中国人民大学の韓克慶教授は、「一時的な失業給付金の基準引き上げは、失業者の生活状況を改善し、感染対策期間中の労働者の一時的な生活の困難を解消する」と述べた。
首都経済貿易大学公共管理学院の張智新准教授は、「失業給付金の基準引き上げは、社会の公平を守る政府の姿勢を示した。これは国民から支持される政策で、政府の底支えの一面を反映した。同時に各地は中央の指示の精神に基づき、地域別・クラス別で正確に操業を再開し、各方面の人・モノ・資金を流動させなければならない」と判断した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年3月6日