米疾病対策センター(CDC)のロバート・レッドフィールド所長は米下院で証言した際に、議員から「米国では表面的にはインフルエンザで死亡したが、実際には新型コロナウイルス肺炎で死亡した人はいるか」と質問された。レッドフィールド氏は「確かにその通りだ」と回答した。「環球時報」が伝えた。
これは非常に重要な情報で、米国の新型肺炎の蔓延状況が現在発表されている感染者千数百人、死者3、40人というデータに留まらないという意味だ。米国の検査能力が需要に追いついておらず、実際の感染状況を隠す結果になっている。
米国の芸能界・スポーツ界の有名人も感染しており、本土の軍人及び国会議員の中にも感染者がいる。ある政治家は感染者と濃厚接触している。これらは感染症がすでに米国で広く拡散しているという明確なシグナルを発している。ニューヨーク州のクオモ知事は、検査が十分に行えれば米国の感染者数が「ロケット」のように急上昇するはずだと述べた。
トランプ大統領は、米国の新型コロナウイルスへの対応力はすべての国を上回り、ウイルスが米国でチャンスを手にすることはないとと述べた。しかしトランプ氏のこの宣言は人々を安心させていない。米国は現在も検査範囲拡大の断固たる措置を講じておらず、また大規模な感染症としての位置づけで人々の接触を回避していない。つまり米国には現在、公式データをはるかに上回るウイルス感染者がおり、かつこれらの感染者が多くの健常者に接触する大量の機会があるということだ。これが米国の真の現状だ。
米国の景気刺激策は感染対策よりも早く、人命救助は連邦政府の政策で最優先されていないようだ。しかし投資家は米国の感染対策に不信感を抱いており、米国の株価急落に歯止めがかかっていない。市場には悲観・恐慌ムードが漂っている。
自国の感染対策に取り組まず、外国、特に中国に罪をなすりつける。これは米国の政界で現在、最大の責任逃れの手段になっている。国家安全保障問題担当大統領補佐官のオブライアン氏は最近また中国を攻撃し、中国が当初「感染状況を隠蔽」しており、国際社会の反応が2カ月遅れたと述べた。
これは米政府による罪をなすりつけようとする、現在までで最も無恥な発言だ。一国の感染症への全体的な認識は、一つの過程を踏まえる必要がある。1月20日から中国が感染状況について声を大きくし警告しており、米国はこの数十日を利用し感染対策を急ぐべきだったにも関わらず、この時間を無駄にした。米国の一部の政治家はこの時間を使い、中国に対して高みの見物を決め込んだ。
米国には、感染状況が深刻な国との人員往来を停止すれば良いという、間違った政策の方針がある。米国は最も早く中国との人員往来を停止し、現在さらに率先して欧州諸国との往来を停止した。ところが米国は市中感染の阻止について無策で、ほぼ放置している。選挙を重視するため米政府は極力天下泰平を装い、ウイルスが米国にもたらすリスクは「小さい」ため懸念する必要はないと宣伝している。ペンス副大統領が政府の感染対策の陣頭指揮をとっているが、ほぼ効果を発揮していない。
米国の非実証的な態度は驚きで、政府と一部の議員は愚かと言えるほどだ。彼らは一切を顧みず中国に罪をなすりつけているが、誠に見苦しい。米国は不透明で事実を無視し、選挙を人命よりも重く見ており、さらに無闇やたらと絡みつく。これは多くの中国人を仰天させている。新型コロナウイルスは人類共通の敵だ。我々はこの時期に米国が仕掛けた対立に気を取られるのではなく、世界が共に感染症と戦えるようにするため貢献すべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年3月13日