連日、米国の一部の政治屋は新型コロナウイルスによる肺炎に言及する際、「武漢ウイルス」「中国ウイルス」等の差別的表現を無責任に使用して、米国内で幅広く批判されている。米国の衛生当局者、専門家、学者らは「こうした表現は世界保健機関(WHO)の見解と相いれず、科学的根拠がないだけでなく、差別や排外等深刻な問題も引き起こす」と次々に指摘している。人民日報が伝えた。
米疾病予防管理センター(CDC)のロバート・レッドフィールド所長は先日、議会の公聴会に出席した際「新型コロナウイルスはすでに世界各地であまねく出現しており、これを『中国ウイルス』と呼ぶのは筋が通らない」と明言した。
「新型コロナウイルスによる肺炎という公衆衛生上の問題を政治化すべきではない。新型コロナウイルスが一体どこで発生したのかは、まだ科学的考証を待たねばならない」と、アイオワ大学のスタンリー・パールマン教授(微生物学、免疫学)は指摘する。コロラド州立大学獣医学・バイオメディカルサイエンス学部のチャーリー・カリシャー教授は「名称決定時に地名や人名を使用しなかったWHOのやり方こそが正しい。いい加減に地名を使用してウイルスの名称を決めるのは偏見や差別からである恐れがあり、正しくない」と指摘する。
「名称決定は重要であり、不正確またはスティグマタイズされた名称を使用するのは避ける必要がある」と、WHOのテドロス事務局長は以前強調した。かつてエボラ出血熱対策の指導に加わった米政府元高官のジェレミー・コニンディック氏は「結局のところ、疾病は生物学と関係するのであり、地理とは無関係だ」と指摘する。イェール大学のフランク・スノーデン名誉教授(歴史と医学史)は「米国の一部の政治屋が差別的表現を使うのはかなり挑発的だ。暗に誹謗中傷しているうえ、政治的意味合いに満ちている」と考える。
ウイルスが一体どこから来たのかは、科学者の議論に回し、専門的意見を聴取し、科学的論証にゆだねるべきだ。この科学的問題をなんとしても政治問題化し、さらに中国に汚名を着せることにつなげようとするのは、米国の一部の政治屋が先入観にとらわれており、中国に偏見と敵意を抱いているのだとしか言えない。
新型肺炎が発生以来、中国は国を挙げて上から下まで迅速に動員し、全力で対処し、有効な感染予防・抑制措置を講じて、他国が感染症と戦うための時間を稼いだ。WHOも国際社会もこれを高く評価している。感染が世界各地に拡大すると、中国は積極的に関係国と協力し、物資を提供し、医療専門家チームを派遣して、他国の感染症との戦いを支援してきた。公道は自ずと人心に在り。
現在米国で感染が急速に拡大している。ウイルスの名称で言いがかりをつけるより、感染予防・抑制に考えを向け、心を尽くして国民のために責任を果たす方がよい。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年3月19日