終息を展望 政策の調整を強化
中国本土での感染拡大はほぼ断ち切られたが、上述した専門家は世界の終息を展望した際に明確かつ楽観的な回答を示さなかった。張氏は今年10月以降に再びピークを迎える可能性があると予想した。
感染対策の「後半戦」に入った中国は操業再開を加速しつつ、感染のぶり返しを防がなければならない。南開大学周恩来政府管理学院教授の常健氏は記者に、「感染症がいつ再来するか、感染規模がどの程度になるかは不明だが、リスク対応の資源は限られている。そのため政府部門は考え方を従来の問題解決からリスク管理に転じるべきだ」と述べ、各レベルの対応プランを作成し、人工呼吸器などの医療物資を備蓄するよう提案した。
取材に応じた専門家は、各国の感染対策プランもその時の状況に応じて動的に調整すべきと述べた。例えば当初は「外は厳しく内は緩く」だったが域外輸入感染者が徐々に増加したシンガポールは、入国規制や学校の休校といった思い切った措置によりウイルス感染経路を遮断している。
湯氏は「今回の感染がいつ終わるかは、最も脆弱な部分によって左右される。公衆衛生システムが脆弱な国で終息すれば、すべての国が戦場から退くことができる」と指摘した。
湯氏によると、WHOは公衆衛生の条件が整っていない地域向けに、医療従事者オンライン訓練を緊急展開している。また世界的な感染対策技術の交流を行っている。しかし各国間の政策の調整はまだ初歩的な段階に留まっており、感染症の「殲滅戦」が「持久戦」に長引く可能性がある。そのため国際レベルで政策の調整を強化する必要がある。WHOも衛生資源の公平な分配で力を発揮するべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年3月31日