香港特区の林鄭月娥行政長官は2日、行政会議出席前に記者団に、「香港の国レベルの国家安全関連立法は中央の責任感を示している。一部の外国政府の反応はダブルスタンダードだ」と表明した。林鄭月娥氏の発言内容は下記の通り。
国家安全はすべての国の主権を示し、かつ統治権の基礎でもある。国家安全のための立法は中央の職権であり、すべての国で中央レベルで行われている。国家安全を脅かす各種行為について、香港には法律がまったくないわけではないが、大きな不足があるのは明らかだ。
中国には国家安全法がある。これは国のすべての部分、隅々まで適用されるべきだ。しかし中央は一国二制度、「港人治港(香港人による香港の統治)」、高度な自治の原則に配慮し、香港とマカオという2つの特別行政区に対して独自の立法により国家安全を守る権利を与えている。しかし香港はさまざまな原因により、現在もこれを実行できていない。
国家安全を脅かすリスクが香港で拡大を続けている。過去1年に渡り「香港独立」を吹聴する行為及び外国勢力の干渉により、国家安全が脅かされ、市民生活が不安に陥った。香港のこの現状について、中央は見て見ぬふりし、無関心ではいられない。そうすれば香港の700万人以上に影響が及び、また香港が国家安全の空白・リスク地帯になり、14億人に影響が及ぶ。
全国人民代表大会(全人代)による今回の取り組みについて、中央が憲法の権力を行使したと同意する人が多い。一部の外国政府は本件を利用し国を批判している。特殊な状況における立法は中央の責任感を示した。
一部の外国政府の反応、さらには行動に出るという表明はダブルスタンダードによるものだ。彼らは自国の安全を非常に重視しているが中国の安全、特に香港の現状については色眼鏡で見る。
米国のいわゆる制裁もしくは香港への優遇措置の停止は、自他を損ねる行為だ。過去十数年に渡り、香港は米国にとって最大の貨物貿易黒字源だった。香港は一方的に米国のパスポート保持者にビザ免除措置を講じているが、香港は同じくノービザで米国に入国する待遇を受けていない。香港は香港の米国企業1300社に、CEPA(中国大陸部と香港間の経済緊密化協定)に基づく大陸部市場への同等な進出の優遇措置を講じている。香港証券市場の取引量のうち約5分の1が米国の投資関連だ。
これらは米国の香港における確かな利益だ。米国及びその他の政府が香港との関係を処理する際に相互尊重することを願う。感染症により世界経済が疲弊する現在、双方の企業及び国民を損ねる行為を回避するべきだ。これは経済及び市民生活をいっそう苦しめるだけだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年6月3日