クローズアップ:香港のデモに向き合う

クローズアップ:香港のデモに向き合う。上着はズタボロ、全身血まみれ、結婚指輪を通していたペンダントもどこかへいってしまった。「気絶しなかったのが幸いした。でなければ殴り殺されていた」…

タグ:襲撃 立法 デモ 香港

発信時間:2020-06-03 14:40:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 弁護士の陳子遷さんはまさかわが身にこんなことが降りかかるとは思いもしなかった、と振り返る。


 6カ月以上前、香港の立法会(議会)の公聴会でデモ活動を厳しく非難した陳さん。そして5月24日、暴徒によって命の危険に晒された。


 それは商店を襲撃する暴徒を目撃した彼が怒り叱責した言葉に端を発したものだった。


 「大人数でこちらに向かってきて地面に押し倒され、殴られ足蹴にされ、傘で頭を叩かれた」と当時を振り返る。逃げようとしたが、怪我で思うように動けずすぐに暴徒につかまりまた暴行を繰り返された。


 眩暈と耳鳴りがしだし、命の危険を感じた。「あの時とっさに家族のことが思い浮かんだ。怖くてしかたなかった」


 上着はズタボロ、全身血まみれ、結婚指輪を通していたペンダントもどこかへいってしまった。「気絶しなかったのが幸いした。でなければ殴り殺されていた」


 3日後ようやく退院した陳さん。頭、あご、手、足など複数カ所を縫合、動脈から近い右耳後ろの首筋の傷はあと少し深かったら命の危険があったと担当医は診断した。


 入院中から彼は家族の身の安全が心配だった。インターネットで素性が明かされたことを知り、SNSのアカウントをプライバシー設定に変更し、家族がネット上でバッシングされるのではと怯えた。


 怒りと恐怖と焦り――様々な負の感情に苛まされた。一人での外出も、テレビをつけるのも怖かった。ネット上で炎上している自身の動画映像も怖くて見れない。


 そんな被害者は、彼一人ではなかった。


 全国人民代表大会(全人代)で香港への国家安全法案導入に関する審議が始まった最初の日曜日、香港の街頭では再び激しいデモが勃発、市内の通りは塞がれ、破壊、放火行為が行われた。香港の警察当局が乗り出したものの、多くの市民が不幸にもその被害者となった。


「自由には制約がある、他人の生活に影響を与えないことが前提だ。デモ集団は他人の発言権と人身の自由を奪っている。全くの独り善がりに過ぎない」陳さんは、暴徒の行為は恐怖かつ軽薄で理性を失っていると批判する。


 弁護士である陳さんは今香港市民、特に若者の法遵守意識が下がってきていると嘆く。「彼らは『使命感』を抱いているが、実際は是非を判断できない上、法を犯したらどうなるかまったくわかっていない」


 香港が今日のような情況に陥ったのは法曹界にも責任がある。「一部の若者をめぐる案件ついては、最近の焼夷弾を投げた少年の案件のように軽い判決を言い渡す傾向がある」とその理由を説明する陳さん。もし米国で焼夷弾など投げれば、テロリストとみなされる。


 28日の第13期全国人民代表大会(全人代) 第3回会議で「香港特別行政区の国家安全を守る法制度と執行メカニズムの確立・整備に関する全人代の決定」が高得票で採択された。組織的なテロ活動など国家の安全に重大な危害を与える行為・活動がまさに今後、関連法規の重点対象となる。


 この香港の、国家安全保障を守る法律の穴をふさぎ、「一国二制度」という安定かつ長期的な国策を保障するということは、陳さんのようなすべての香港市民に恐怖のない確実な保護を提供するということ。


 「暴徒らは国旗を燃やし、香港独立を煽り、国家を分裂させ、海外勢力と結託している。これらはすべて重大な罪であり、香港に国家安全法を導入する必要性を明白にしている」と陳さんは強調する。国家安全法は多くの国に存在し、国民を守る最も基本的なもの。香港に暴動を阻止する力がなければ、国が手を出すべきだ。


 「国の安全を守るのは一人一人の責任。我々の日常生活に深く関係している」と香港の林鄭月娥行政長官は28日、「国家安全法」への支持を署名した。最新データによると、「国家安全法」を支持する署名活動には200万人以上の市民が参加したという。


 「以前の香港はとても賑やかだったが、今は毎日何かしら騒動があり、市民はビクビクして落ち着かない」


 今の陳さんの一番の望みは、以前のような香港に戻り、市民が安心して生活し、共に発展していくこと。


 「私はただの一般人ですが、立ち上がりデモ集団の恥ずべき真の姿を声を大にして市民に伝えたい」


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年6月3日

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