「G7拡大」狙う米国、成功するか?

「G7拡大」狙う米国、成功するか?。実際、世界の大変動について、中国の急成長がその最大の変化の要因となっているというのが各国の基本的な共通認識だ…

タグ:GDP 急成長 金融 G7 サミット

発信時間:2020-06-08 10:13:16 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 今年の主要7カ国首脳会議(G7サミット)議長国である米国は韓国、オーストラリア、ロシア、インド、ブラジルも招待し、G11やG12体制に拡大したい意向を示した。当初はトランプ米大統領の気まぐれだと思われていたが、どうやら今年だけのことではなさそうだ。トランプ氏は6月1日、韓国の文在寅大統領と電話会談し、「古いG7体制から正式にG11やG12体制に拡大する方策を模索している」と改めて表明した。では英有力紙ガーディアンの言うように、米国の思惑通りG7の体制拡大と「反中連盟」の結成は成功するだろうか?(中国社会科学院アジア太平洋・グローバル戦略研究院研究員 王俊生)


■中国を除外する理由はない


 国際メカニズムの構築はその性格に合わないばかりか、大統領就任後、環太平洋経済連携協定(TPP)や地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」離脱や国連教育科学文化機関(ユネスコ)、国連人権理事会、最近では世界保健機関(WHO)からの脱退など国際組織離れを加速させてきたトランプ氏。オバマ政権が力を入れたTPP(環太平洋経済連携協定)も同盟国の反対を押し切り離脱した。今回の突発的な体制拡大は彼が主張するように、「G7は古い体制で現在の国際情勢を反映できない」ため代表となる国際メカニズムを構築する必要は本当にあるのか?筆者はトランプ氏の本当の狙いはそこではないと思う。


 「G7は現在の国際情勢を反映できない」という観点は1997年の金融危機ですでに西側諸国を含む国際社会が認めたことだ。そのため1998年にドイツの提案でG20 財務相・中央銀行総裁会議が創設された。2008年、米国を発端とするサブプライムローン危機により世界中が金融危機に陥った際、最もダメージが深刻だった米国は外部支援の必要を迫られたものの、当時の西側諸国も同じくダメージを受けており、米国を助けられるのは新興経済国だけだった。こうした情況の中、当時のブッシュ大統領は従来のG20 財務相・中央銀行総裁会議を首脳級に格上げし、主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)の体制が誕生した。G20がG7に代わって世界的な取り組みを行う主要メカニズムであることはすでに各国の共通認識となっている。すでにあるG20ではなく、トランプ氏が提案しているG11やG12体制のほうが優れているというのか?――そんなはずはない。


 表現は違えど、今直面している大激動の中で最も大きな変化は新興経済国と発展途上国の急成長であるというのが世界各国の考えだ。そうした新興・途上国による世界経済の成長への貢献度は80%に達している。為替レートを使った方法で計算すると、新興・途上国のGDP(国内総生産)は世界のGDPの約40%を占め、10年後には50%になる可能性が高い。しかしトランプ氏が目論むいわゆるG11やG12体制には新興・途上国でもブラジル、インド、ロシアしか招待しておらず、最大の新興経済国である中国は除外されている。その出発点が政治的考えからであるのは明白だ。


 この点について、ロシア外務省のザハロワ報道官は2日、米国が提案しているG7拡大の考えは原則的に「正しい方向に進んでいる」としつつ、「中国の参加なしでは世界的に意味のある取り組みを行うのは不可能だ」と述べた。今回と違い、2008年に米国が推し進めたG20創設時、当時のブッシュ大統領はまず中国の首脳に電話し意見を求めた。


 現在、中国のGDPはブラジル、インド、ロシアのGDPを足した2倍以上、中国はGDPが最大の発展途上国であるだけでなく、世界130カ国以上にとって最大の貿易相手国でもあり、世界経済の成長への貢献度は長年30%を上回る。今後5年で中国は世界最大の末端消費市場となる可能性が極めて高く、中国のGDPは日本、インド、ロシア、韓国という4大経済国を足してもそれを上回る。こうしたことから新興・途上国の代表としても、アジア地域の代表としても、本当に現在の国際情勢を反映する新たな世界の枠組みであるなら中国を除外する理由はどこにもない。


■米国に利用されてはならない


 実際、世界の大変動について、中国の急成長がその最大の変化の要因となっているというのが各国の基本的な共通認識だ。そのためトランプ氏が提案する新たな世界の枠組みは本当は国際情勢を反映したものではなく、中国をけん制・包囲する「国際連盟」をつくるという独自の狙いがある。


 トランプ氏は大統領就任後中国を最大のライバルとみなし、中国に戦略的圧力をかけ、世論を使って中国を悪者扱いにしてきた。特に新型コロナによる感染拡大後、国内の防疫対策不足と今年の不確定な大統領選を背景に、中国の名誉を傷つけ、公開でデマを流している。戦略的誘導と国内政治の需要からトランプ政権が中国のけん制・包囲を内政・外交の最大の狙いとしていることは様々な現象が物語っている。ならば関係国はトランプ政権が提案するこの枠組みに参加するか慎重に考えなければならない。さらにG7参加国でさえ、英国やカナダのように様々な原因から米国の提案に賛同しない国もある。欧州連合(EU)のボレル外務・安全保障政策上級代表は「米国は現在の議長国としてゲスト国を招待する権限はあるが、メンバーの変更や、形式を恒久的に変える権限は持っていない」と指摘した。


 トランプ氏の招待を受けた国は国際的により大きな発言権を持ち、国際的地位を高めたいと望んでいる。この気持ちは理解できる。中国も国内政治に干渉しないという原則を貫いてきたが、「中国包囲」という米国の真の狙いが明白な以上、米国に利用されるつもりはない。それこそ無責任な態度といえる。


 一部の国の影響力を考えると、このグループに参加すれば「内部変革の力」になるという単純な考えは通じない。従来の国際関係専門家は権力と実力の要因に関心を持っていたが、相互関係と利益が交差する世界では、いかなる国も基本的な正義感と道徳観を持つ必要がある。つまり他国の利益を犠牲にして自国の利益を追い求めてはならないということだ。さらに言えば、14億人という人口を抱える世界第2の経済大国である中国を除外して世界的な取り組みが成功するだろうか?一部の国はこの地政学的な戦略グループへの参加によっていわゆる国際的地位を高めようとしているが、結局は「水の中の月」「鏡の中の花」になる可能性が高い。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年6月8日

 

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