米国のポンペオ国務長官の南中国海に関連する発言について、外交部の汪文斌報道官は28日「中国の南中国海政策に変化はなく、連続性と安定性を維持している。少数の米国の政治家が南中国海をかき乱そうとするならば、地域諸国及び平和を愛する人々は承知しないだろう」と表明した。
汪報道官は同日の定例記者会見で、「ポンペオ氏は南中国海問題をめぐり中国を中傷し攻撃する発言を繰り返している。米国側の一部の政治家は南中国海で事を構えようとしているのかと問わざるを得ない」と述べた。汪報道官は関連する質問に回答し、次のように話した。
中国の南中国海政策に変化はなく、連続性と安定性を維持している。中国は一貫して「国連海洋法条約」を含む国際法を厳かかつ真剣に履行しており、自国の主権を拡大する主張をしていない。歴史的事実の尊重を堅持した上で、国際法に基づき交渉と協議により隣国との領土・海洋権益をめぐる係争を解消している。我々は終始「南中国海各方行為宣言」の規定を遵守している。ASEAN諸国と共に「南中国海行為準則」の交渉を推進し、中国とASEAN諸国が共に遵守する行為準則の早期合意を目指したい。
ポンペオ氏はよく国際法に基づき行動しなければならないと口にするが、米国が国際法維持を口実とし自国の利益をむさぼろうとしており、国際法が役に立てば用い役に立たなければ捨てるというのが米国側の一貫した立場であることは周知の通りだ。米国の脱退・違約を挙げるならば、米国側はすでに10以上の国際条約及び国際機関から脱退しており、脱退の「世界チャンピオン」と呼べる。米国は2001年以降、イラク、リビア、シリアなどの国に戦争及び軍事行動を発動し、80万人以上の死者を出し、数千万人が住処を失っている。
実際に南中国海で「軍事化」を行い、地域の緊張情勢をこしらえているのは中国ではなく米国の方だ。公開されている情報によると、米軍機は今年上半期に南中国で2000回以上も活動している。今月15日から現在まで、米軍機は12日連続で南中国海に接近し偵察を行っている。米国は近頃さらに2つの空母艦隊をここに派遣し、さらに同盟国やパートナーにも軍艦をこの海域に派遣するよう働きかけている。南中国海が荒れないことを恐れている。これは地域の平和と安定に不利であり、すべての南中国海沿岸国の利益にも合致しない。米国側には果たして人に言えない目的があるのだろうか、彼らははっきり説明する必要がある。
米国は南中国海問題の当事国ではなく、「国連海洋法条約」の参加国でもないが、南中国海を取り上げ再三事を構え、南中国海の主権問題で特定の立場を持たないという約束に公然と背いている。実際には中国とASEAN諸国の関係を意図的に引き裂き、対立をそそのかし、中国けん制の新たなカードを作ろうとしている。
南中国海は米国のハワイではないとポンペオ氏に告げなければならない。少数の米国の政治家が南中国海をかき乱そうとするならば、地域諸国及び平和を愛する人々は承知しないだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年7月29日