米国のポンペオ国務長官は15日に欧州4カ国歴訪を終了した。ポンペオ氏の訪欧は3週間ぶり。この脳内に冷戦思考が満ちている米国の政治家は西欧と中東欧の到る所で政治のウイルスを全力で撒き散らし、価値観を巡る対抗を煽っている。今回はさらに東欧という冷戦時代の特殊かつ敏感な欧州の地域を利用し、愚かにも「新冷戦」の復活を試みている。ポンペオ氏が情勢を見誤り、計算を間違っていることは明らかだ。
最初の訪問先であるチェコに到着すると、ポンペオ氏は何かにつけて「共産主義の脅威」に触れたが、応じる者は数えるほどだった。日程後半にバビシュ首相と開いた記者会見において、ポンペオ氏は引き続き強引にデマをでっち上げ中国及び中国共産党を中傷した。ところがバビシュ氏はポンペオ氏の「脚本」に合わせたがらず、チェコは「一つの主権国であり、ここの重大な脅威など目にしていない」と述べた。
ポンペオ氏はスロバキアに転戦し、引き続き5G安全問題を取り上げ、中国を中傷しイメージを落とす古い芝居を演じた。ところがポンペオ氏は観衆の知恵を完全に過小評価した。全世界で他国を盗聴する米国の悪行は誰もが知る通りだが、ポンペオ氏はそれについて一字も触れなかった。スロバキア紙『Večer』は「スノーデン事件で発覚した内容によると、米国の通信網も盗聴・監視され、プライバシーを違法に取得されることを免れないようだ」と皮肉った。これは米国という盗人が他人を盗人呼ばわりしているという意味だ。
今回の訪問先で唯一東欧諸国ではなかったオーストリアにおいて、ポンペオ氏は引き続き5G及びエネルギー安全問題を利用した。ところがこの永世中立国は国益などに関わる重大問題で米国の言いなりになろうとしていない。オーストリア紙『Die Presse』は「Nord Stream 2(ガスパイプラインプロジェクト)問題をめぐり、オーストリアは米国に屈服しておらず、5G問題でもファーウェイを排除すべきではない」と論じた。
ポンペオ氏の最後の訪問先であるポーランドは米国の同盟国だ。訪問中、米国とポーランドは防衛協力強化の協定に署名し、この東欧の国における駐留米軍を拡大することになった。だがドイツの駐留米軍の撤退とポーランドへの配備は、ポーランドとドイツの溝を深め、ロシアとの対立をエスカレートさせる。欧州諸国を対立させた米国は漁夫の利を得ることができる。これは観察眼のある人ならば明らかなことだ。あるメディアは「これはドイツのメルケル首相が守り続けるEUの団結への挑戦だ」と論じた。
米国の少数の政治家による中国を強くけん制しようとする企てが必ず失敗に終わるのと同様、冷戦復活が平和を愛する世界の人々から必ず猛反発を浴びることは時間によっていずれ証明される。米コロンビア大学のサックス教授は「米国は冷戦時代の『反共の狂熱』により、南アジアと中米で多くの戦争を発動した。新型コロナウイルスが猛威を振るう動乱の時に、中国との間に冷戦を引き起こそうとする愚かな企ては恐ろしいミスであり、世界の安全を脅かす」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年8月17日