中国について騒ぎ立てることに熱中してきたオーストラリアが最近、「対話を求め」始めた。スカイニュース・オーストラリアの報道によると、モリソン豪首相は最近の演説で、「すでに中豪関係に変化が生じたのは明らかだが、オーストラリアは引き続き中国との対話を試みる」と、中国に秋波を送った。
ここしばらくの間、中豪関係は冷え込んでいる。オーストラリアの政治屋はまるで二重人格者のように振舞う。1つの人格は挑発者で、米国に追随し、必死に中国の顔に泥を塗り、中国を非難する。もう1つの人格は「満面無辜」の被害者で、「中国に輸出を抑圧されている」と、行く先々で涙ながらに訴える。
「オーストラリアが先に中国を標的にしたのだということを、我々は忘れてはならない」。豪紙「オーストラリアン・ファイナンシャル・レヴュー」は、「両国の自由貿易協定(FTA)調印後、オーストラリアは世界貿易機関(WTO)のルールと合致しない反ダンピング税の手法によって、中国からの100品目余りの輸入を阻止した。また、全世界に先駆けて華為技術(ファーウェイ)による5Gネットワークへの参加を禁止した。オーストラリアはほぼ中国からのいかなる投資も禁止し、州政府や大学の中国側との二者間協力も禁止した」と報じた。
「オーストラリアの対中政策の変動は、ある程度においてモリソン政権の『対中不安症』の表れだ」。中国社会科学院アジア太平洋・グローバル戦略研究院の許利平研究員は本紙の取材に対し、「国内要因について言えば、オーストラリアは経済・貿易面で対中依存度が高い。その一方で、イデオロギー面では依然として中国に対して冷戦思考があり、政治・経済対話で激しい対立も起こる」と分析した。
オーストラリアにとって中国は輸出入共に最大の貿易相手国だ。オーストラリア統計局によると、2019年の中豪の二国間貿易額は1589億7000万米ドル(1ドルは約105.7円)。オーストラリアの対中輸出額は1039億ドルで、輸出全体の38.2%を占める。また、中国からの輸入は550億7000万ドルで、輸入全体の25.8%を占める。中豪関係の悪化は両国間の経済・貿易関係に直接的影響を与えている。統計では、2020年の中国とオーストラリアの貿易総額は約1683億2000万ドルで、2019年比で0.7%減少した。このうち、中国のオーストラリアからの輸入は1148億4000万ドルで、5.3%減少した。中国にとってオーストラリアは第8の貿易パートナーだ。
「オーストラリアの政治屋達は、経済・貿易面において、中国にとってオーストラリアは唯一の存在ではないが、オーストラリアにとっては中国がカギを握っていることを深く認識しなければならない」。中国社会科学院海彊シンクタンク研究員、中国市場学会海のシルクロード作業委員会主任の王暁鵬氏の分析によると、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、オーストラリアは景気後退が加速し、社会福祉システムにまでも累が及んでいる。だがオーストラリアの政治屋達は個人的または特定団体の政治的利益のために、悪意をもって「中国の脅威」をでっち上げ、中国関連の問題を意図的に誇張し、反中感情を伝え、メディアなどを通じてオーストラリアの人々をミスリードしている。中豪関係にとって、こうしたやり方はまるで膿のようなものだ。
ニュージーランドのオコナー貿易相は以前インタビューで、「オーストラリアがニュージーランドのように敬意を払い、もっと外交的な手法を取るとともに、常に慎重に言葉を選べば、豪中関係もニュージーランドと中国の関係に似た水準に達する見込みがある」と述べた。
許氏は「中豪関係低迷の主たる責任はオーストラリアにある。モリソン政権が対中関係における自らの判断の誤りに対して責任を負わなければならないことは間違いない」としたうえで、「モリソン政権は両国の包括的な戦略的パートナーシップの観点に立ち、互恵的な両国関係を正しく認識するべきだ。この点において、いかなるミスジャッジや誤読もあってはならない」と指摘した。
また王氏は、「オーストラリアがまず解決すべきは自国のアイデンティティの問題だ。オーストラリアは自らを西側ファミリーの一員であり、西側諸国と価値観を共有していると一貫して認識しているため、中国に関する問題において米国に追従している。これは完全に間違っている。オーストラリアはアジア太平洋国家であり、これは現在のオーストラリアの最も顕著な地政学的特徴だ。アジア太平洋地域に積極的に融け込むこと、特にアジア太平洋地域の大国との二国間関係をうまく処理することが、オーストラリアの経済発展、社会的安定、民衆の幸福にとって重要だ」との考えを示した。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年2月19日