「中国ロケット残骸脅威論」が撃沈、専門家は常識的な事実を指摘①残骸は「制御不能」になったのか?

「中国ロケット残骸脅威論」が撃沈、専門家は常識的な事実を指摘①残骸は「制御不能」になったのか?。

タグ:長征5号B 残骸

発信時間:2021-05-10 15:23:24 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 中国有人宇宙事業弁公室は9日、同日午前10時24分に「長征5号B遥2」ロケット(以下「同ロケット」)の最終段の残骸が大気圏に再突入し、「大多数の部品が大気圏再突入で燃え尽きた」と発表した。この声明を受け、この1週間に渡り「中国ロケット残骸脅威論」の喧伝を続けた西側メディアが意気消沈し退場した。この喧伝で流布されたデマはいったい何だったのだろうか。「環球時報」は複数の専門家を取材した。

 

 同ロケットの残骸は「制御不能」になったのか?

 

 西側メディアが今回重点的に喧伝した話題の一つは、「制御不能になった同ロケットの残骸が宇宙を漂う」だ。しかし取材を受けた専門家は、「ロケット残骸が制御不能」とはそもそも偽命題だと指摘した。通常ロケットがペイロード輸送任務を完了した後、大気圏外を飛行するロケットの残骸はすでに動力を失っており、さらには一部の構造が壊れている可能性もある。そのため宇宙を漂っているどの国のロケットの残骸も「制御可能」なわけがない。

 

 西側メディアはよく、米スペースX社の「ファルコン9」ロケットの1段目が「制御・回収可能」であることと比較する。しかし専門家によると、これは同ロケットの残骸とは同じことではない。ファルコン9の1段目が切り離される高度は80キロ未満で、大気圏を出ていないからだ。宇宙に入ったファルコン9の2段目について、スペースXは2018年の段階で、技術的な難易度とコストの問題により「再利用の考えを完全に放棄した」と発表していた。今回の西側メディアの基準によると、ファルコン9の2段目も宇宙の「制御不能のロケット残骸」になる。

 

 米CNNはさらに「中国のロケット技術は遅れており、残骸の落下はよくあること」と皮肉った。専門家はこれについて次のように説明した。ニュースでよく「ロケット打ち上げ前に、現地政府はロケット残骸の落下エリアの住民を避難させる」という情報を目にするが、その落下する残骸はロケットの1段目とブースターで、通常は大気圏を出る前にロケットから切り離される。これまで中国の複数の発射場がいずれも内陸部にあったため、ロケットの部品が落下し確かに損害を引き起こす可能性がある。

 

 しかし米国のロケット技術と中国の間にそれほど大きな差はなく、米国の発射場が海辺に位置するだけだ。これらのブースターと1段目は切り離された後に海に入り、地上の住民に落下する可能性がより低い。しかし中国の海南文昌発射場の使用開始により、中国の打ち上げにおける類似する問題が徐々に解消されている。

 

 「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年5月10日

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