西側は今回同ロケットの脅威を喧伝し、特に宇宙から大気圏に再突入するロケットの残骸を指した。専門家の説明によると、ロケットは通常、複数段の構造を持つ。体積が最も大きい1段目とブースターは大気圏内で使命を終え自動的に切り離され、2段目及びそれ以上の部分がペイロードを宇宙に送り込むことが多い。同ロケットは1段半型で、1段で宇宙ステーションのコアモジュールという大型宇宙船を直接軌道に送り込むことになる。そのため宇宙に残る部分の体積が非常に大きい。しかしロケットの内部燃料が打ち上げで消耗されると、残された筒の質量はそれほど大きくない。またアルミ合金を中心とする筒は大気圏で燃え尽きやすい。
さらに地球上の7割が海に覆われており、残りの陸地面積にも広大な砂漠、高原、森林など人の少ない地域が含まれる。そのため確率的には、人類にロケットの残骸が落下する可能性は非常に低い。
実際に米国のロケットも米国が吹聴するほど安全ではない。例えば今年3月、米国の「ファルコン9」ロケットの2段目の残骸が大気圏再突入した後、ワシントン州の農場に落下した。この部品は高強度カーボンファイバー製で、大気圏再突入時の高温でも燃え尽きず、地上に大きな穴を開けた。
それではロケットの残骸による損害を減らすことはできるのだろうか。専門家によると、ロケットの1段目とブースターについては海辺に発射場を作るほか、「制御による回収」という方法がある。「環球時報」の調べによると、中国はロケット1段目の制御による回収について、すでに多くのことを試みている。
宇宙のロケットの残骸については、処理の難易度がぐんと上がる。ロケットの残骸が地上やその他の宇宙の物体に危害を加えるのを避けるため、国際的には現在、一般的に鈍化という手段が採用されている。つまりロケット内の残された燃料、高圧ガス、電池などの危険な物体を放出するか消耗し尽くすということだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年5月10日