新型コロナウイルスの起源解明を研究する世界保健機関(WHO)国際専門家チームのメンバーであるオーストラリア・シドニー大学のドミニク・ドワイヤー教授はこのほど、オーストラリアメディアの取材に対し、「新型コロナウイルスが研究所から流出したとの見解を支える証拠は乏しい。起源解明の問題を政治利用して利益を図ることは問題の解決に無益だ。科学界に研究を続けさせるべきだ」とした。新華社が伝えた。
今年初め、ドワイヤー氏はWHOの国際専門家チームのメンバーとして、中国を含む各国の科学者と共に武漢で1ヶ月にわたり新型コロナウイルス起源解明の調査を行った。ドワイヤー氏は武漢訪問後に新華社の取材に応じた際、新型コロナウイルスが研究所から流出した可能性は極めて低いと述べた。
最近、中国とWHOによる新型コロナウイルス起源解明合同調査の報告をメディアが疑問視していること、バイデン米大統領が米情報機関にウイルスの起源調査を指示したことについて、ドワイヤー氏はオーストラリアメディアの取材に対し、「米情報機関はこれまでいかなる有用な情報も示せずにいる」と述べた。
ドワイヤー氏は、「バイデン大統領は、情報機関からの報告は互いに矛盾していると述べた。私が見るに、これも明確な証拠がないことを示すものだ。そうでなければ、一体何が起きたのかは一目瞭然のはずだ」とした。
またドワイヤー氏は、「起源解明の合同調査の間、WHOの国際専門家チームに対して武漢側は非常にオープンだった」と指摘。また、「証拠探しは困難だ。起源解明の作業は何年もかかる可能性があるし、各者が協力して初めて終えることができる。これまでに行われたエボラウイルスやSARSウイルスなどの起源解明作業でも、何年も費やしてもなお確実な結論が得られなかった」とした。
さらに、「皆が協力し、オープンで透明性ある方法で協力し、問題を解決しなければならない。言い争いをしたり、この問題を政治利用して利益を図ったり、それに類したことをしたりすれば、それだけ協力を通じた問題の解決は不可能となる。そのため、私は(起源解明の問題において)外交面の取り組みがいくらか改善されることを希望する。そうして初めて、我々は科学的研究を続けることができる」とした。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年5月31日