王毅国務委員兼外交部長(外相)は25日、四川省成都市でフィンランドのハーヴィスト外相との共同記者会見に臨んだ。新型コロナウイルスの起源解明の問題を利用して中国のイメージを毀損している少数の国々について見解を問われた王部長は、次のように述べた。新華社が伝えた。
ウイルスの起源解明は厳粛な科学の問題であり、科学者たちが新型コロナウイルスの起源を研究によって解明することで、将来のリスクにより良く防備できるようにするべきだ。私の会った全ての外相も、起源解明が特定の国を非難するために政治的に操作されてはならず、ましてや国際社会を分断させることがあってはならないとの考えに賛同した。我々は団結してこそ、真にウイルスを打ち負かすことができる。
だが我々が目にしたのは、昨年公然とウイルスを「武漢ウイルス」と呼び、世界保健機関(WHO)から強引に脱退するなど、当初から感染拡大の政治問題化、ウイルスのスティグマタイゼーション、起源解明の道具としての利用を企て、さらには科学者の勤勉な取り組みを無視し、情報機関によって彼らの言うところの「起源解明」を行い、推定で罪をなすりつける「研究所流出説」を宣伝する米国の姿だった。米側の目的は明らかだ。すなわち、自らの不十分な新型コロナ対策の責任を転嫁し、他国のイメージを毀損し、他国を叩くという政治的目的を達成することだ。人類の感染症との闘いの歴史書に、この醜い1ページを記録しておく必要がある。
中国は一貫してオープンな姿勢で、起源解明の国際協力に参加してきた。我々はすでに2回、WHOの専門家チームを起源解明の合同調査のため中国に招待し、このために多大な努力を払った。専門家たちは希望する全ての場所を訪れ、希望する全ての人に会い、『研究所から流出した可能性は極めて低い』との科学的結論を出すとともに、「可能性のある早期症例を世界規模で探る」「コールドチェーンを通じたウイルス伝播の可能性を調査する」といった重要な提言を行った。次の段階の取り組みはこれを踏まえてさらに展開を進め、世界各国・各地で確認済みの様々な早期症例を調査すべきだ。数日前、中国の医学専門家、科学研究専門家が記者会見を開き、事実とデータを用いて一連のデマを払拭し、中国側の厳正な立場を科学的姿勢で表明した。
新型コロナウイルスの起源解明とともに、政治ウイルスの起源解明も必要だ。WHO事務局が先日加盟国による議論に提出した第2段階の起源解明計画に、科学者たちは非常に驚いた。第73回WHO決議の要求からかけ離れているだけでなく、第1段階の合同調査報告書の結論や提言も無視していたのだ。米国はWHOに復帰しても、新型コロナとの国際的な闘いに加わるわけではなく、引き続きWHOの舞台を利用して様々な政治ウイルスを撒き散らす考えであるようだ。いかなる作業計画であれ、真にウイルスを突き止めるための調査ではなく、策を講じて中国のイメージを毀損するための計画であるのなら、中国は受け入れないし、受け入れられない。中国だけでなく、すでに60ヶ国近くが第1段階の起源解明調査の成果に賛同し、起源解明の政治化の企てに反対する書簡をWHOに提出した。
起源解明の問題において、我々に必要なのは協力であり、イメージ毀損ではない。真相であり、嘘ではない。科学の尊重であり、政治工作ではない。中国は開放・透明・科学・協力の精神を堅持し、引き続きグローバルな起源解明協力を支持し、これに参加していく考えだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年7月26日