米国は世界保健機関(WHO)に圧力をかけ、中国を再びウイルス発生源特定の焦点にしているが、これには一石二鳥の狙いがある。これは、米政府による国内の感染対策の失敗の責任を転嫁し、発生源特定により中国に対する長期的・戦略的な世論・政治の包囲を構築することだ。中国には、反撃を強めるという選択肢しかない。「環球時報」が伝えた。
バイデン政権の感染対策は全体的に見て、トランプ政権よりも優れていない。ワクチンはトランプ政権が掲げたもので、米国人全員に動員をかけワクチン接種を行うバイデン政権の取り組みも約束した程度には達しておらず、かつ感染が再拡大している。中間選挙で、バイデン政権が感染対策の不徹底により罰を受ける可能性が上がっている。中国に責任を押し付ける政治的需要は、すでにトランプ政権と肩を並べるほどだ。
バイデン政権は現在、全面的にトランプ政権の政治のゴロツキ路線にならっている。つまり、全力で中国にぬれぎぬを着せることだ。感染拡大が長引いていることから、米国自身の責任を中国に直接押し付けることが困難になったため、彼らは発生源特定のカードを切り、本来ならば科学的に進めるべき問題を全面的に政治利用している。一般の米国人に働きかけることができるのは政治だけだからだ。米国人の怒りを利用し彼らを愚民化し、米国の感染対策の失敗は中国のせいという荒唐無稽な概念も「一理あり」と信じさせるのだ。
米国の圧倒的多数の科学者、さらにはメディアは昨年、武漢実験室が新型コロナウイルスを作った、もしくは漏洩させたという批判に公然と反対した。彼らの多くは最近「認識」を改め、WHOの専門家チームが武漢ウイルス研究所を視察し、同実験室と感染症の関連性をほぼ否定した結論を、米政府と共に否定している。米国の科学界とメディア界の多くがバイデン政権によって愚民化され、人の言うことをそのまま口にする「ポリティカル・アニマル」になった。
トランプ氏は大統領時代に、当時の政府はなぜあれほど愚かで単純であったのかと感じさせるほど、米国人に中国を憎ませるプランを採用した。バイデン政権が率いる米国では現在、1日あたりの感染者がまた4、5万人に達し、さらに増加傾向を示している。この数値はトランプ時代でも低くはなかった。ワクチンがあってもこれほどひどい状況だが、米国の有権者が必死に中国を憎み愚民になるのでなければ、自分たちが前回よりも愚かな連中を選びこの国を指導させていることに気づくだろう。