近頃、多くの国の政府要人や専門家、学者たちが続々と新型コロナウイルス起源の政治問題化に反対し、感染症対策の国際協力に破滅的な影響を及ぼす可能性があるとの声を上げている。
ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は6月にテレビ会議形式で開催されたBRICS外相会議後の記者会見で「西側諸国は新型コロナウイルスの起源解明を政治問題化しようとしているが、これは感染症対策の国際協力にとって何らプラスにならない」と述べた。
ロシアの著名なウイルス学者で、世界保健機関(WHO)の専門家であるディミトリ・リヴォフ氏は「新型コロナウイルスが自然起源であることに全く疑いはなく、感染症の発生以前に世界の多くの地域でこのウイルスの抗体がすでに存在していた。現在、新型コロナウイルスの起源解明に関する議論を主導しているのは専門家ではなく、個人的利益を図る一部の政治家だ。WHOはアメリカなどから非常に強い圧力を受けている」と語った。
ロシア民族友好大学戦略・予測研究所のパーヴェル・フェルドマン副所長は「アメリカはウイルスの起源調査を利用して中国を悪者扱いし、そうすることで政治的利益を図ろうとしている」と考えている。
アフガニスタン公衆衛生省のワヒド・マジュルーフ代理大臣はこのほど取材に対し、「WHOが発表した中国とWHOによる新型コロナウイルス起源の合同調査報告書を信じるべきだ」と答えた。さらに、中国がこの件で開放的かつ透明性のある姿勢を保ち、積極的に起源解明の国際協力に参加しているとし、「開放的で透明性のある理念は各国が効果的に協力してウイルスの起源を解明する上で重要な原則だと確信している」とした。
フィリピンのフランシスコ・デュケ保健大臣は7月30日に同国大統領府広報部が開催した記者会見で、「一部の指導者と政治家は新型コロナウイルス感染症を政治問題化しているが、われわれの観点は彼らと全く異なる。われわれは専門家としてデータと科学を尊重し、他の専門家たちの意見を尊重する必要があり、感染症に関することの政治問題化を避けなければならない」と述べた。
現地時間7月30日、南アフリカの与党・アフリカ民族会議(ANC)はSNSの公式アカウント上で声明を発表し、「高所得国が煽り立てた『ワクチン民族主義』や『ワクチン・アパルトヘイト(人種隔離)』で発展途上国の発病率と死亡率が上がり、経済が衰退し、貧困と不平等が深刻化している」と指摘し、「感染症対策にとってワクチンは極めて重要であり、現在国際社会はウイルス起源の政治問題化ではなく、ワクチン協力に注目すべきだ」と強調した。
「北京週報日本語版」2021年8月4日