メキシコ国立自治大学の疫学専門家のエレナ・レイエス氏はこのほど新華社のインタビューに応じた際に、「新型コロナウイルスの起源解明などの衛生分野の活動に政治的利益を絡めるべきではない。さもなければ科学が防疫で力を発揮することの妨げになり、人々の命の安全を脅かすだろう」と述べた。
レイエス氏は、「新型コロナウイルスは人種、肌の色、性別、国籍を分けない。一部の国のウイルス起源解明には政治的な要素が混じり、感染拡大の責任を中国などの感染を早く報告した国に押し付け、さらには新型コロナウイルスの起源は中国の実験室だと称している」と述べた。
レイエス氏は、「ウイルス起源解明は、ウイルスの起源及び遺伝子の特徴への理解を促進し、ウイルスの運び役を特定し、遺伝子の変化を研究することで、次々と出現する変異株により良く対応できる」との見方を示した。
メキシコで2009年にA型H1N1インフルエンザが流行した当時、レイエス氏はウイルスの起源解明に参加した。「あの時の起源解明により、メキシコはウイルスの遡及、感染予防、疫学モデルを構築した。その多くの成果は、新型コロナウイルスの公衆衛生面で使用されている。これらのシステムは、より多くの情報の入手、ウイルスの識別方法、感染拡大防止を促し、現在の感染症の社会・経済への衝撃を和らげている」