現地時間8月30日夜、米国防総省は米軍のカブールからの撤退が完了したと発表した。これにより、20年にわたるアフガニスタン戦争が幕を閉じた。バイデン大統領は、この戦争のために米国が払った代価について「米兵2461人が死亡、2万人以上が負傷し、2兆ドル以上を出費した」と明らかにした。果たして、これほど大きな代価を支払って、どんな成果があったというのだろうか。
費やしたのは莫大なコスト
アフガニスタン戦争における米軍側の死者数は、ベトナム戦争の約6万人には及ばないものの、第二次世界大戦後としては期間が最も長く、費用が最もかかった戦争となった。「2兆ドル以上」という金額は、2020年通年の米国の国内総生産(GDP)にほぼ匹敵する。米国の研究者は「退役軍人のケアや、戦後処理の実施など、関連コストは引き続き大幅に増加し、2048年以降にピークに達するだろう」と予測している。このコストを支払う羽目になるのは、次の世代の米国人たちだ。
戦争では経済力が物を言う。この20年間、米国は1日当たり3億ドルをアフガニスタンに費やしてきたことになる。この戦争で大もうけした人間がいる。大量の兵器の購入やメンテナンスにかかった費用はすべて軍需企業の収益になった。この20年間で、ノースロップ・グラマンの株価は9.8倍に、ロッキード・マーティンロは9.34倍に、ボーイングは5.39倍に、ジェネラル・ダイナミクスは5.22倍に暴騰した。米国でもアフガニスタンでもなく、武器商人たちだけがこの戦争の勝者であった。
2兆ドルをインフラに投資すれば何ができただろうかと考えずにはいられない。中国の高速鉄道の平均建設費は約1キロ当たり1億6000万元なので、2兆ドルあれば8万キロを超える距離の高速鉄道が建設できる。そして実際の中国の高速鉄道の運行距離は3万7900キロであるため、米国がアフガニスタン戦争に使った資金があれば、中国と同じ規模の高速鉄道路線を2つ建設してなお余ることになる。