9.11同時多発テロから間もなく20周年になる。米政府はこの20年に渡り「テロ対策」の旗印を掲げ、自国及び同盟国の軍事力及び各種資源を動員し、度々戦争を発動するか軍事攻撃をしかけ、いわゆる「民主」を無理やり輸出した。テロを根絶しなかったばかりか、むしろ世界に余りにも多くの動乱と苦難をもたらし、次々とこの世の悲劇を演じた。
米国のテロ対策の20年は、武力濫用と傍若無人ないじめの20年だ。米国は20年に渡り世界の約80カ国でテロ対策を口実に戦争を発動し、軍事行動を展開した。アフガンを破壊し、イラクを侵略し、シリアを混乱させた。少なくとも80万人が戦火の中で命を落とし、その中には約33万人の一般人が含まれる。数千万人が路頭に迷い、少なくとも2000万人が現在も非常に過酷な条件下で生活している。米軍は中東から西アジアに至るまで、動乱と分裂、一家離散をもたらし、無数の傷と混乱を残した。米国の行動と効果は建設ではなく破壊であることは事実によって証明されている。
米国のテロ対策の20年は、命を軽視し、血を好み殺戮を繰り返した20年だ。テロ対策の旗印の下、米軍はよくルールを無視し、人命をおろそかにし、勝手気ままに悪事を働いた。アフガンでは一般人の結婚披露宴が米軍機の爆撃にあい、農家が農作業中に米軍の無人機に襲撃され、任務遂行中の麻薬取締官さえ米軍及びその同盟国から襲撃された。ある米軍無人機の操縦士は国連に対して、米軍のアフガンにおける無人機襲撃は時に、純粋な「殺戮のための殺戮だった」と証言した。アフガン完全撤退の前日、米軍による無人機攻撃行動により、アフガンの多くの一般人が死亡した。そのうち最年少者はわずか2歳。米軍はイラクで1万6000人以上の一般人を直接殺害した。米海兵隊の将校は、イラクの一般人銃殺に参加したことを認め、一部の軍同僚が「楽しむため人を殺した」と述べた。米政府は、これは単なる「巻き添え」に過ぎないと称している。
米国のテロ対策の20年は、悪行を重ね際限もなく害毒を残した20年だ。メディアの報道によると、米国の情報人員の支援を受け、アフガンの麻薬生産量が激増し、今や世界最大のケシ栽培国になっている。アヘンの生産量は世界全体の85%を超えている。米軍の侵入時、アフガン域内のテロ組織の数は一桁だったが、米軍が撤退すると20以上に増えた。イラクでは現在も約2500万発の地雷及びその他の爆発物の撤去が必要だ。公開された統計データによると、イラク域内で爆発した劣化ウラン弾は累計3400トン超で、平均1平方キロメートルあたり8キロ弱のウラン化合物が残されている。米国を始めとする有志連合軍が劣化ウラン弾と白リン弾を大量に使用したため、戦後のイラクの出生児の奇形発生率が大幅に上昇した。
米国はテロ対策問題でさらに手のひらを返し、ダブルスタンダードを掲げている。米国が覇権と私利を守るためであればテロ対策をしないどころか、テロ勢力を放任し、テロリストを保護する。ある証拠によると、全米民主主義基金は2004年以降、「世界ウイグル会議」などの「東トルキスタン運動」に876万ドルの資金援助を行っている。「東トルキスタン運動」はテロ攻撃を頻繁に計画・発動し、罪なき多くの一般人の死傷を引き起こし、新疆の安定が大きく揺らいだ。これら米国が計画し引き起こした悲劇により、米国こそが世界の平和を脅かす最大の「混乱源」であり、混乱を輸出し動乱を引き起こす最大の「黒幕」であることがより明確になってきている。米国がテロ対策に力を入れるほど恐ろしいことになる理由は言わずもがなだ。
これら一連のこの世の悲劇は、米国の偽善という真の姿を十分に曝露している。いわゆる「丘の上の街」「人権の灯台」の信用が失墜し、国際社会で覇権主義と強権的な政治に反対する声がより高まっている。また世界各国はいかにテロを根絶し、いかに自国の発展の道を選ぶべきかをより深く理解するようになった。
世界の人心は国際社会、特に覇権主義のいじめを受ける多くの国の、より公平かつ正義の世界への切実な期待と願いを示している。世界に害をもたらす覇権主義はいつか末路を迎え、米国式のテロ対策は終りを迎える。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年9月10日