シンガポール国立大学アジア研究院の優秀研究員であるキショール・マブバニ氏はこのほど新華社の書面・動画インタビューに応じた際に、「過去数十年に渡り中国人民は中国にとって未曾有の福祉改善を経験した。それとは対照的に米国の下層の人々の生活水準の低下が続いた」と指摘した。
「中国の発展の成功にはいくつかの理由がある。中国は終始、世界最大かつ人類の最も永続的な文明の一つを持っている。中国は世界に学ぼうとしている。過去40年に渡り平和な発展環境を手にした」
マブバニ氏はシンガポールのリー・クアンユー元首相のシンクタンクと呼ばれ、シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策大学院院長、シンガポール国連常駐代表を歴任し、2019年にはアメリカ芸術科学アカデミーの会員に選ばれた。マブバニ氏は次のように述べた。
1980年から2010年の30年に渡り、米国は下層の人々の平均所得が低迷を続けた唯一の先進国だった。米国の下層の人々の所得・生活水準が悪化を続け、米国人の平均寿命が低下し自殺率が上昇している。
現在の米国では中産階級の人数が激減している。過去数十年で、米国社会のいわゆる「均等な機会」が侵食された。米国は公民の社会的・経済的権利の保障も不調だった。
米国の制度は新たな、豊かな貴族階級を効果的に生み出した。
米政府は下層の国民に優先的に配慮するべきだ。これは米政府にとって現在最も解決すべき優先事項であり、米国が直面している最大の課題でもある。しかし実際には、米国の歴代政権は海外における違法な戦争に資金を費やしてきた。
米国は現在、政治・経済・文化の厳しい構造問題に直面している。今日の米国には、米国の主な戦略思想家であるジョージ・ケナンが言う「精神の活力」がない。
ケナンは米国とソ連の競争について、一国は自国がやろうとしていることを知らなければならない、国内の難題を上手に処理しなければならない、世界的な責任を果たさなければならない、時代の主要な思想の潮流において精神の活力を持たなければならないと提案した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年11月1日