米国は最近、いわゆる「強い立場」から中国と対話すると何度も称している。この方法は実行可能だろうか。中米はどのような姿勢で対話すべきだろうか。
中国新聞社「東西問・中米対話」は中国・グローバル化センター(CCG)の王輝耀理事長と米国のステープルトン・ロイ元駐中国大使を対談に招いた。南京生まれで成都や上海などで青少年の時を送ったこの米国のベテラン外交官は、米国は覇権的な立場から問題を考えるのを停止すべきと見ている。米中は大国としての責任を果たすべきで、政治体制の差を協力の妨げにするべきではないという。
王氏:あなたは経験豊富な外交官で、幼い頃から中国を理解しており、長年に渡り中米関係に注目してきた。中米関係の過去、現在、未来についてはどのような観点を持っているか。
ロイ氏:過去50年の大半の時期において、米国は中国の成長を続ける富とパワーが米国側の重要な利益を脅かすことはなく、双方間の食い違いは外交と協議により処理できると信じていた。ところが現在の状況は変わった。
何が起きたかを理解するためには、まず米国と中国がいずれも各自の世界的な地位の根本的な変化の最中にあることを認識する必要がある。米国は唯一の超大国ではなくなるという国際情勢に適応しようと取り組んでいる。これは米国の実力が低下したからではなく、他国が大国の地位に上り詰めたためだ。中国はその先頭に立つ、最も重要な例だ。新しい多極化された世界が生まれようとしている。米国は冷戦終結後の主導的な地位を手放したがらず、新たなバランスを構築するための必要な調整を受け入れたがらないが、これは少しもおかしなことではない。同時に過去一定期間において、米国国内の社会と政治の二極化がその国際的なイメージを落とした。我々が一つの大国のイメージを判断する重要な基準は信頼性だ。一方で中国は非常に短期間内に大国としての富と軍事力を取り戻した。これは中国人民の心理を変え、中国の行動モデルを変え、自信を深めさせる。これは米中二国間関係を過去半世紀で一気に最悪にした2つの重要な背景・要素だ。