米ジョンズ・ホプキンス大学が1日に発表した新型コロナウイルス関連の最新の統計データによると、世界の新型コロナウイルス感染による死者が累計で500万人を突破した。これは痛ましい節目だ。これは再び世界の人々に向け、新型コロナウイルスという悪魔が自ずと消滅することはなく、国際社会が団結と協力を強化しより力強い行動に出ることで、初めて感染症との戦いで最終的に勝利を収めることができるとの警鐘を鳴らした。

　500万人の死は残酷な現実を裏付けた。それは新型コロナウイルスの変異株が次々と発生する可能性があり、感染症との長期戦が終了に程遠いということだ。1年以上に渡り、一部の先進国は感染症との長すぎる戦いに疲れたようで、新型コロナウイルスは弱毒化する「風邪の親分」であり、厳しい感染対策は大げさであると考えている。これは危険な心理だ。多くの専門家が指摘しているように、感染状況の悪化を放任すれば、世界の公衆衛生システムは強い圧力に耐えられなくなり、感染対策がコントロールを失う恐れがある。新型コロナウイルスという危険かつ狡猾な敵に対して、いかなる油断も不備もこれまでの努力と苦労を水の泡にしうる。各国は心を一つにして協力し、持久戦の準備をしっかり整えるべきだ。

　ワクチンは感染症に打ち勝つ力強い武器だ。世界に目を向けると、ワクチン分配の不均一、接種の不均衡の問題が依然として際立っており、世界の「免疫の長城」を築く道は依然として長く果てしない。一部の先進国は「ワクチン民族主義」を掲げ、大量のワクチンを溜め込み、発展途上国のワクチン不足と低い接種率を招いている。統計データによると、今年上半期の新型コロナウイルス感染による死者数は昨年通年を上回っている。ワクチン接種及び感染対策能力の格差により、現在の世界的な感染拡大には「ばらつき」があり、持続的に発展途上国及び貧困国に蔓延している。

　世界保健機関（WHO）のワクチン標準作成を担当する関連機関の中国籍科学者の雷殿良博士は、「世界の感染症との戦いは現在、非常に深刻な状況だ。ワクチン接種率を早急に上げることで感染拡大を防ぐ必要がある。さもなければ感染者が増加を続け、ウイルスが変異する機会も増加する。非常に強い変異株が生じれば、世界の感染対策は深刻な危機に直面しうる」と述べた。

　感染拡大に対する解決策は唯一つしかない。それはWHOが強調する3つのキーワード、つまり「一に団結二に団結、三も団結」のことだ。プラン面の団結は、感染対策の協調と一致、厳しい封じ込めにより、ウイルスの感染経路をしっかり遮断するよう全世界に求める。行動面の団結は、ワクチン民族主義を捨て、一致協力し世界の新型コロナウイルスワクチン接種戦略を開始し、低所得国（特にアフリカ諸国）に優先的にワクチンを提供するよう各国に求める。思想面の団結は、より多くの共通認識を集め、手を携え人類衛生健康共同体を構築するよう人々に求める。

　中国は終始「人民最優先、生命最優先」を堅持している。感染対策と経済・社会の発展の同時進行と同時に、世界が手を携え感染症と戦うため多大な貢献を成し遂げている。中国は昨年150カ国と13の国際機関に援助を提供した。中国は今年に入り、すでに106カ国と4つの国際機関に15億回分を超えるワクチンを提供している。感染予防・抑制、感染対策の国際協力のけん引に向け重要な力を発揮している。

　東南アジア、アフリカ大陸、中東、南米でワクチンを寄贈し、技術を移転し、共同で生産する――中国はワクチンの普及を促進し、実際の行動によりワクチンを世界の公共財にするという約束を果たしている。COVAXに1億ドルを寄付した上で、中国は年内にさらに発展途上国に1億回分のワクチンを無償供与し、ワクチンの世界における公平な分配と使用の促進に向け引き続き貢献する。

　世界の感染症との戦いの厳しい情勢を見据え、大国は範を垂れ、ワクチンなどのより多くの公共財を提供するべきだ。各国は心を一つにして肩を並べて感染症と戦い、人類衛生健康共同体の構築を促すべきだ。これは人類が感染症に打ち勝つための唯一の正しい活路だ。

　「中国網日本語版（チャイナネット）」2021年11月2日