英・グラスゴーで開かれていた国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)は会期を1日延長して、現地時間11月13日夕方に閉幕した。会議では、成果文書「グラスゴー気候合意」を採択し、パリ協定の実施指針(ルールブック)も完成した。
COP26は、パリ協定が実施段階に入ってから初めて開催された締約国会議で、約2週間の協議を経て、各国が立場の違いを埋め、コンセンサスを広げるよう努力し、最終的にパリ協定のルールブックについて合意文書を採択したことで、協定実施に向けた準備が整った。会議では、「森林と土地利用に関するグラスゴー首脳宣言」ほか、複数の合意文書を採択した。
各国は、長期気候資金に関する議題について2027年まで延長することで合意。先進国は2025年まで現行の義務を継続するとともに、2024年に翌年以降の新たな資金目標の設定を完了することで合意した。会議では「適応に関する世界全体の目標」に関するパリ協定を実施し、同目標に関する理解を深めるため、今後2年間の作業計画「適応に関する世界全体の目標(GGA)に関するグラスゴー・シャルムエルシェイク作業計画」を策定し、直ちに開始することを決定した。
中国は「責任ある大国」として、気候変動への対応を極めて重視しており、世界的な気候ガバナンスの推進に重要な役割を果たしてきたが、この会議でも中国の知恵と解決策を提供した。
開会に先立ち、中国は「新たな発展理念の完全かつ正確、全面的な貫徹によるCO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルの取り組みの徹底に関する意見」と「2030年までCO2排出量をピークアウトするための行動計画」を発表。将来的に、エネルギー、産業、建設、運輸などの重点分野や、石炭、電力、鉄鋼、セメントなどの重点業界に関する実施計画を相次いで打ち出すほか、科学技術、炭素吸収源、財政・税制、金融などのセーフガード措置を導入し、CO2排出量ピークアウト・カーボンニュートラルの「1+N」政策体制を形成して、タイムテーブルやロードマップ、設計図を明確にするとしている。