東南アジアの中国に対する認識が成熟化

中国網日本語版  |  2022-02-24

東南アジアの中国に対する認識が成熟化。例を挙げると、ロシアと欧米に挟まれたウクライナは西側につくことを選んだが、危機の中で欧米から得られるのは単なる口約束の「支持」である…

タグ:東南アジア 価値観 インド太平洋戦略 産業チェーン

発信時間:2022-02-24 15:50:37 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

文=李開盛 上海社会科学院国際問題研究所副所長、研究員


 大国の駆け引きの狭間にある東南アジアの国にとって、成熟し理性的な外交の選択をできるかどうかは自身の国家利益、繁栄、さらには発展の命運に関わる。シンガポールのユソフイシャク研究所の最新年度調査によると、東南アジアの民衆のこの面に対する認識はますます客観的になり、固執と感情的な色合いは低下している。これは地域の平和と発展にとって間違いなくプラスである。


 東南アジア諸国を対象に実施された同調査によると、民衆の中米両国に対する見方は以前よりバランスが取れている。例を挙げると、米国の指導力に対する受入度は回復し、中国に対する信頼度も大幅に向上し、中国は世界公共財の提供により貢献すると見られている。また、東南アジア社会の地域の国際政治に対する見方もより実際的になっている。過半数の人が政治と戦略への影響力を最も大きい国は中国だと考えており、米国の影響力が最大だと考える人は3分の1にとどまった。中国の『環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定』(CPTPP)加盟などに対する評価も比較的良好である。


 面白いことに、バイデン政権は東南アジアとの関係を積極的に発展させているが、東南アジア社会は米国の地域参与度には限界があると感じており、米国を頼れる戦略パートナーだと考える人の割合は昨年の54.7%から42.6%に大幅に低下した。これは、米国の官僚が何度も東南アジアを訪問し「インド太平洋戦略」を売り込んでも、東南アジアの民衆は簡単に「そそのかされない」ことを意味する。


 関連データは近年の東南アジア地域の客観的変化、特に中米の駆け引き、中国に対する認識がより成熟化していることを示した。調査は以下の素朴な事実を反映している。中国と東南アジアの国の間には今も南中国海の領土主権や海洋権益といった争いが存在するが、近年の中国の現実・客観的な影響の向上および平等の外交原則の遵守により、東南アジア諸国は中国が地域の発展を促す「プラスエネルギー」だと認めるようになっている。特にコロナ禍で、中国が力を入れるワクチン提供は多くの国の防疫をサポートし、防疫政策の成功により中国はサプライチェーンと産業チェーンの活力を保持し、世界のサプライチェーンと産業チェーンの正常な動きを維持している。


 一方、「民主」や「自由」などの価値観を唱える米国は、名目上は東南アジア重視を主張するが、実際は東南アジア諸国を中国牽制の道具にしようとしている。バイデン米大統領は東南アジア諸国に対して真っ先に「インド太平洋経済枠組み」を打ち出すことを発表したが、このような「インド太平洋戦略」を強化する動作は東南アジアの経済・社会の発展に実質的な支援を提供することにおいて無意味かつ無力である。


 また、その他の国と地域が経験した地縁政治的現実は東南アジア諸国に現状を見極めさせた。例を挙げると、ロシアと欧米に挟まれたウクライナは西側につくことを選んだが、危機の中で欧米から得られるのは単なる口約束の「支持」である。東南アジア諸国の外交政策は比較的バランスが取れ実際的だが、これは冷戦後に東南アジア地域の基本的安定と経済成長の維持が世界の多数の地域より優れていたためであり、同地域の今後の安定的発展の保証にもなった。


 総じて言えば、調査結果と現状は東南アジア社会の中国に対する認識が確実に成熟化したことを示している。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年2月24日

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