米国のバイデン大統領は水曜日、欧州に向け出発した。バイデン氏は現地でNATO首脳会議、G7首脳会議、欧州理事会に出席する。報道によると、バイデン氏は今回の訪問で欧州の同盟国と、次の段階の対ウクライナ軍事支援について調整し、かつ新たな対露制裁を発表する予定だ。バイデン氏がロシアとウクライナの衝突から1カ月の節目に欧州を訪問し、集中的な外交攻勢をかけようとしていることは明らかだ。しかし「調整」するのはいずれも火に油を注ぐ件だ。
サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が、バイデン氏の今回の欧州訪問について、「ウクライナは苦しい日々を迎える。この戦争が容易に、もしくは速やかに終わることがないからだ」と述べたことに注意が必要だ。これは米国の「判断」というよりは、米国の念入りな計算による誘導の方向だ。米国はこの戦争が終わることを願っておらず、ロシアとウクライナの衝突を最大限に利用し、地政学的な価値を搾取しようとしている。
そのため、米国と欧州は親しそうに見えるが、双方の実質的な溝が深まっている。米国はロシアとウクライナの交渉を遅らせようとしているが、欧州は安全と安定を求めている。欧州では現在、反戦の声が高まっている。これには、米国のウクライナへの武器輸出に反対する声が含まれている。ウクライナにひたすら武器を輸出するやり方は、自分たちが求める安全の目標と正反対であることを認識する欧州人が増えている。過度な制裁がもたらす結果が、米国の利益、欧州の犠牲、ウクライナの流血であることは間違いない。
ロシアとウクライナの衝突は米露の対立の激化の結果であり、問題解決の鍵は米国に握られている。米国がウクライナの人々の「苦しい日々」を終わらせたいと本当に願っているのならば、なぜ欧州と武器輸出及び制裁について「調整」することを選び、ロシアと直接協議しないのだろうか。答えは明らかで、米国は真の和平交渉などまったく求めていない。そのためロシアとウクライナの衝突を解消する活路がどこにあるかを知りながら、米国が袋小路の奥で「行き止まり」という看板を必死に磨いているという、馬鹿げた光景が展開されている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年3月24日