ロシアとウクライナの紛争勃発後、米国は西側諸国と共にロシアに対して新たな大規模制裁を開始した。米国は制裁によってロシアに譲歩を迫ろうとしているが、制裁は国際紛争を解決する有効な手段ではなく、特にロシアのような大国に対する一方的な制裁は米国の望む目標を達成できないばかりか、世界経済にも深刻な影響を及ぼす。米国による対露制裁の根底には、やはり覇権主義がある。米国は、ロシア・ウクライナ情勢の悪化と世界経済の持続的な衰退に対する責任を免れない。
制裁は「諸刃の剣」だ。ロシアを「攻撃」すると同時に、西側諸国の経済と民生にも深刻な影響を及ぼしている。制裁という剣から真っ先に被害を受けたのは欧州だ。3月18-19日にはドイツ、スペイン、ギリシャなどの欧州諸国で、原油価格の高騰や物価上昇に抗議する街頭デモが行われた。ロシアへのエネルギー依存度が高い欧州は対露制裁に加わることで「敵を1000人倒しても自軍に800人の損失が出る」ことになった。フランス経済予測・国際情報センター(CEPII)のリポートによると、2014年の対露制裁で欧米諸国が被った輸出損失額は602億ドル、うち欧州諸国は約500億ドルに上り、EUは約200万人分の雇用を犠牲にして1000億ユーロの生産高を失った。なかでもドイツは毎月8億3000万ドルという最も酷い損失を被った。
ロシアに制裁を加えている欧州諸国のうち米国の覇権主義に抑圧されている国がいくつあるのかは分からないが、すでに世界の100カ国以上が対露制裁を拒否する態度を表明した。理非曲直は人々の心の中にある。
自国中心主義による制裁は問題を解決できず、地域の緊張を高めてパニックを広げるだけで、平和をもたらすことなく民生にも役立たないことは歴史が証明している。米国は一貫してロシアに制裁を加え、他国にも加担させることによって、その覇権主義的な体質を再び世界に露呈しているのだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年4月5日