「グローバル・ガバナンス・フォーラム(2022年春季)」(主催:中国人民大学重陽金融研究院、運営:中国人民大学グローバル・ガバナンス研究センター)が、このほど北京で開催された。
フォーラムでは、米国による対露制裁の手段、特徴、影響、示唆を全面的に整理した報告書が発表された。
報告書は、過去8年間に米国が発動した対露制裁を総括。これによると、2014年から2022年4月1日までに米欧によって行われた対露制裁は8068件に達した。このうち、2月22日以降の新たな制裁は5314件に達し、過去40日間の西側による対露制裁は、過去40年間の対イラン制裁の約1.5倍となった。制裁とその制裁に対する対抗措置は世界の構造と経済に計り知れない影響を及ぼす。
元外交副部長(外務次官)の何亜非氏はフォーラムで、「米欧の対露制裁とそれに対するロシアの対抗措置は、地政学的・地経学的な大国間の競い合いにおける両刃の剣だ。米露関係、国際構造、世界経済・金融、グローバル・ガバナンス体制に対するその影響は計り知れず、冷静に分析・評価する必要がある」と指摘。
元中国銀行副総裁の張燕玲氏は、「今回米国はロシアとウクライナの対立だけでなく、世界経済に対する一掃も仕掛けた。2年前、ちょうど新型コロナウイルスのパンデミックが発生した頃、米国では金融危機が生じていた。危機を緩和するために、米国は『世界の終わり』的な救済策を講じたが、それによって米国の覇権主義と利己主義も露呈した。世界的なインフレと不況を理由に国際社会から非難されるのを避けるため、米国は戦争をけしかけ、全ての問題をロシア・ウクライナ紛争に転嫁したのだ。ロシア・ウクライナ紛争は、米国によって世界的な制裁戦争となり、世界的なコモディティ商品の高騰や欧州のサプライチェーンの断裂を招いた。こうした制裁行為は長期的に見て、自ら墓穴を掘り、米ドルの根幹を揺るがす結果をもたらすだろう」と指摘した。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年4月6日