中国の張軍国連大使は5日、ウクライナ情勢をめぐる国連安保理の公開会合で中国の立場と主張を明らかにし、「ウクライナ情勢の緩和と早期停戦の促進を国際社会は差し迫って切望しており、中国もそれを強く願っている」と強調した。中央テレビニュースが伝えた。
張大使は「対話と交渉は和平への扉を開く唯一の道だ。ロシアとウクライナはすでに数回交渉を行った。中国は、双方が和平交渉という大きな方向性を堅持し、困難と溝を克服し、危機の全面的解決のための条件を積み重ねていくことを歓迎する。国際社会は双方の交渉に有利な条件と環境を整え、政治的解決のための空間を切り開く必要がある。障害を設けたり、増やしたりしてはならず、ましてや火に油を注ぎ、対立を激化させてはならない。地域的衝突の拡大を全力で防ぐ必要がある」と指摘。
「ウクライナ危機から発展途上国を中心に世界へと波及している多大な影響を極めて重視し、その管理・コントロールを強化しなければならない。制裁は問題解決の有効な手段ではなく、むしろ危機の波及を加速させて、新たな複雑な問題をもたらす。グローバル化が深く進行し、人類の運命が緊密につながり合っている今日、包括的で無差別な制裁の発動は世界経済の政治化・道具化・兵器化に等しく、世界の経済・貿易、金融、エネルギー、食糧、産業チェーン、サプライチェーンに深刻な危機を引き起こし、国際社会の数10年にわたる発展の成果を損ない、各国民に重い代償を払わせることになる。数多くの発展途上国は紛争の当事者ではなく、対立に巻き込まれるべきではないし、ましてや地政学的紛争や大国間のゲームによる重大な結果を負わされるべきではない。世界の主要エコノミーは責任を引き受け、危機の波及リスクを管理・コントロールして、世界市場の安定と世界経済回復の勢いを維持する必要がある」とした。
また「ウクライナ問題において、中国は自国の地政学的利益を図らず、高みの見物的な意識もなく、ましてや火に油を注ぐようなことはしない。我々が真摯に切望する目標は、ただ一つ。すなわち平和だ。中国は引き続き和平交渉を促進し、ウクライナ危機解決のために建設的で責任ある役割を果たしていく」と強調した。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年4月6日